今や、マンション単位での「サイクルシェアリング(自転車の共同利用)」も広がっています。
しかし、それは「駐輪場」スペースがあることが大前提です。
「ALERO千石Ⅱ」の場合、後から設けようにもそのようなスペースはありませんから、「サイクルシェアリング」を導入することはできないということになります。
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は、入居者募集に当たり、「自転車禁止」を打ち出すと言っていましたが、そうした中で地元区民にとって一番困るのは、「違法駐輪」です。
適法とはいえ、敷地いっぱいに、隣地との境界地スレスレに「ALERO千石Ⅱ」を建てる計画ですから、エントランス部分や前面道路に「違法駐輪」することが考えられます。
前面道路は幅員2mもない「2項道路」で、「違法駐輪」は自動車の通行の大迷惑になります。
一方、マンションのエントランス部分なら、直接的には地元区民の迷惑にならないかもしれませんが、災害時の避難の妨げになり、地域全体の防災面という意味で問題が出てきます。
地域全体の価値、その街の価値を考えない事業者による、利潤追求だけを目的としたようなマンション建設は、それがたとえ小規模なワンルームマンションであったとしても、将来に禍根を残しかねないという点で大きな問題を投げかけていることは間違いないでしょう。
(2019年8月23日)
地域全体の住環境の維持・向上という観点からいえば、それぞれのマンション・戸建てにおいて、十分な駐車・駐輪スペースが確保されており、違法駐車・違法駐輪のない地域ということが価値のひとつであることに異論を唱える人はいないでしょう。
しかし、「ALERO千石Ⅱ」の事業者であるユニ・アジアキャピタルジャパンなどはそうした地域全体の価値を共有しようとはしません。
実は、以外に見落とされがちですが、駐車スペースと十分な駐輪スペースを確保しているマンションということは、そこに住む居住者にとってもプラスになることであり、最終的に文京区が標榜している「だれもが住み続けたい・住みたくなる快適で魅力的なまち」につながることでもあるのです。
そう考えると、「ALERO千石Ⅱ」の事業者であるユニ・アジアキャピタルジャパンなどは、そうした区の方針・方向性と一致しているとも言い難いわけです。
ただ、精緻なマーケティング調査をすると、もしかすると、マンションにおける駐車・駐輪スペースの需要は小さいのかもしれません。
「ALERO千石Ⅱ」はワンルームマンションであり、その中でも「デザイナーズ・ワンルームマンション」の位置付けのようですから、なおのこと需要は小さい可能性もあります。
シェアサービスが広がり、自動車・自転車を個人で所有する形態が少なくなってきており、「デザイナーズ・ワンルームマンション」に住もうとする人たちはその傾向が強いのかもしれません。
仮にそうであるなら、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は、そうしたマーケティングデータを地元区民に示し、理解を得る努力をすべきでしょう。
丁寧な説明のないことが信頼醸成のさまたげになっていたことをユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は理解すべjきだと思います。
(2019年8月22日)
「ALERO千石Ⅱ」は都営三田線「千石」駅から徒歩4~5分ですし、もともと「千石」という場所が都心部に近いことから、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は自動車や自転車は必要ないと考えていた節があります。
しかし、周辺住戸の状況をちょっと見て回れば分かりますが、ほとんどの区民が自動車や自転車を持ち、それぞれの住戸には駐車スペースを設けています。
「ALERO千石Ⅱ」の前には、「フォーラム千石」というマンションが建っていますが、そこは1階部分に駐車スペース4台分を確保しており、駐輪スペースも10台分ほどあります。
千石4丁目の住環境と周辺の既存建物における駐車・駐輪スペースの兼ね合いから考えれば、本来なら「ALERO千石Ⅱ」も戸数を13戸程度に減らし、1階部分に駐車スペースと十分な駐輪スペースを確保すべきだったと言えるでしょう。
特に、駐車スペースと十分な駐輪スペースを取ることは、単に駐車・駐輪問題を解決するだけではなく、隣接住戸の日照・通風面でも好影響を与え、建物自体による圧迫感を軽減することにもつながります。
ところが、「ALERO千石Ⅱ」の設計思想に地域全体の住環境の維持・向上などという観点は一切なく、念頭には最大利益・最大利回りしかなかったことが窺えます。
「設計変更には一切応じない」「裁判を起こされても応じない」という頑なな姿勢が地元区民との軋轢を増したことはいうまでもありません。
(2019年8月21日)
「ALERO千石Ⅱ」は地下1階/地上4階建て--。
エレベーターはありません。
ですから、居住者が仮に自転車を持っていて、違法駐輪しないように各部屋の玄関先に置こうにも、2~4階の居住者は階段を使わねばならず、不便この上ありません。
そうなると自転車を保有する居住者は敷地内、あるいは多少敷地をはみ出ても、地上に置こうとするでしょう。
違法駐輪の懸念は払拭できないことになります。
地元区民側としては、それなりの駐輪スペースを確保しないのであれば、せめてエレベーターを設置すべきとも考えますが、余計なコスト(設置コスト+保守コスト)がかさみ、住戸数が減ることもあり、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側が聞く耳を持たないと思わざるを得ません。
エレベーターを設置して5階建てにするよう求めてもみましたが、結局、当初見込んだ部屋数が確保できない(=当初の投資利回りを得られない)との理由で、受け入れてもらえませんでした。
建設地は、高さ的には24m(計画は9.98m)まで建てられますが、10mを超えると文京区の「中高層条例」に引っ掛かるため、事業者側は徹底して抗いました。
事業者側と地元区民が知恵を出し合って解決策を練るという発想は、そもそもユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側にはないわけです。
「設計変更には一切応じられない」という事業者側の頑なな態度が改まらない限り、あらゆる面で根本的な解決が望めないことがよく分かります。
(2019年8月20日)
「ALERO千石Ⅱ」が地域全体の住環境の維持・向上を考えず、地元区民の真剣な要望に満足に応えていないという証左のひとつとして、駐車場と駐輪場の問題があります。
15戸のマンションにもかかわらず、駐車スペースはゼロ、駐輪スペースは来客用として1台分しかありません。
もちろん、このマンション居住者が自動車を持たず、自転車も持たないか、あるいは持っていても違法駐車・駐輪はしないという「性善説」に立つなら問題はありませんが、それはあまりに楽観的な考えではないでしょうか。
地元区民としては、せめて駐車スペースとして2~3台(うち1台分は来客用)、駐輪スペースは住戸数の半分~3分の2の7~10台分はほしいと思いますが、これまでも書いてきたようにユニ・アジアキャピタル
ジャパンなど事業者側は「設計変更には応じられない」の一点張りでした。
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側はこれを管理・運営するではなく、当初から投資用マンションとして1棟売りする計画ですから、中長期にわたる地域の住環境の維持・向上への関心は薄いと言わざるを得ません。
「ALERO千石Ⅱ」の前面道路は幅員の狭い二項道路ですから、今回、多少セットバックしたとしても違法駐輪が増えれば、自動車の通行にはもろに影響が出ます。
災害時や緊急時に消防車や救急車が入れないという事態を招かないとも限りません。
今のところ違法駐輪は極めて一部の住民に限られていますが、「ALERO千石Ⅱ」で違法駐輪が増えれば、一挙に広がるおそれがないわけではないのです。
将来に禍根を残さないためにも、事業者側はもっと駐車・駐輪スペースを設けるべきだったと言えます。
(2019年8月19日)
千石4丁目の「特別区道文第849号」と「特別区道文第45号」の交差する十字路は、単なる十字路ではありません。
現場を訪れたことのなる区民なら容易に分かりますが、商店街の真ん中にあり、「特別区道文第849号」を進んで「特別区道文第45号」へと曲がろうとすると左手前方の角には八百屋さんがあり、お客さんがいたり、自転車が置いてあったりするのです。
つまり、右折車は左手前方にそれなりのスペースを確保しつつ曲がらねばならず、必然的に右側後方の車輪は路側帯を踏まざるを得ないケースが多くなるのです。
普通乗用車でさえそうなのですから、工事車両ならなおさらでしょう。
しかもこの区道は「スクールゾーン」に指定されており、工事車両は朝7:30~9:00、夕方15:00~18:00は通行できません。
買い物客で混雑する夕方の時間帯は通らないとしても、昼間の時間帯もそれなりに買い物客が行き来しますから、コンプライアンス(法令順守)と安全性を考えれば、誘導員を配置してゆっくり丁寧に何度も切り返す必要があるといえます。
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側には、「証拠さえ押さえられなければ違反しても構わない」などとは決して考えないようにしてもらいたいと思います。
たまたま、工事現場を出てすぐの十字路について書いていますが、これは工事車両が通行する全ての国道・都道・区道・私道について言えることです。
地元区民の監視の目が厳しい建設現場近くだけ注意するだけではダメだという意識をしっかり持ってもらいたいと思います。
(2019年8月9日)
「ALERO千石Ⅱ」の建設現場に出入りする工事車両による「車両制限令」違反の疑いは晴れません。
というのも、「特別区道文第849号」から「スズヤビル」の角を右折して「特別区道文第45号」に入る際の自動車の様子をよくみていると、普通乗用車でさえ軒並み違反しているからです。
もちろん、丁寧に操作をして両側の路側帯(あるいは路側線)を踏まないように運転することは可能かもしれませんが、「監視の目」がなければ普通に違反して曲がってしまうでしょう。
普通乗用車でそうなのですから、2t、3tトラックやミキサー車であればなおさらのこと、普通に運転したら容易に右側後方の車輪は踏んでしまうと思われます。
一度、ミキサー車が曲がるところを遠くから目撃しましたが、特段切り返すことなく曲がっていきました。
遠目でしたらから、車両制限令に違反したかどうか定かではありませんでしたが、切り返すことなく普通に曲がって行きましたから、違反していたと見て間違いないかと思います。
そして、その時、誘導員は居ませんでした。
先日の目撃とそれに伴う指摘及び文京区への通報がどこまで効果があったか分かりませんが、「喉元過ぎれば……」であっては困ります。
車両制限令に違反することなく通行させると約束し、誘導員も配置すると言った以上、しっかり守ってもらわなければなりません。
(2019年8月8日)
◆ユニ・アジアキャピタルなど「ALERO千石Ⅱ」の事業者側と、西片の有料老人ホームの事業者側の「説明会」の違いは、事業者側出席者の顔触れにも表れました。
「ALERO千石Ⅱ」の方は部長、次長、課長級でしたが、西片の有料老人ホームの方は建築主と設計会社の代表者も出席していました。
こうした「説明会」において、土地オーナーや建築主自らが出てくることは珍しく、特に地元区民から経営判断を要する質問が出る場合には、代表者の出席を求めるケースもあります。
その点で、西片の有料老人ホームの事業者側の「説明会」は一定水準をクリアしていたと言えるかもしれません。
事業者側企業の代表者が出てきて、「説明会」に集まった地元区民の生の声を聴き、その表情を読み取り、雰囲気をつかむことはとても重要です。
代表者自身が地元区民から出た疑問に答え、要望を受け止めることも重要であり、地元区民との信用・信頼の醸成に欠かせないでしょう。
マンション紛争や建築紛争に発展するケースにはあるパターンがあり、部長、次長、課長級が出てきて曖昧な回答に終始し、「説明会」で出てきた質問を持ち帰り、満足な回答をしないという悪循環はそのひとつです。
「説明会」を単なる「ガス抜き」の場にするのではないという決意表明の意味でも、建築主や事業主の企業の代表者が出てくることは大切です。
「説明会」を軽んじることは、地元区民を軽んじることであり、「説明会」を重んじることは地元区民を重んじることにつながることを、ユニ・アジアキャピタルなどの事業者側は肝に銘じるべきでしょう。
「説明会」を軽んじたツケは、工事が始まっても、工事中も、完成後も、地元住民の厳しい監視の目という形で続くことを忘れてはなりません。
(2019年8月7日)
今やどこも同じかもしれませんが、千石4丁目の「ALERO千石Ⅱ」にしろ、西片の有料老人ホームにしろ、直接の事業者とは別に、連絡先企業や説明事業者なる業者が付いていました。
千石4丁目の「ALERO千石Ⅱ」では連絡先としてTNアセットマネジメント(港区)という会社、西片の有料老人ホームでは説明業務者としてイデア(千代田区)という会社です。
こうした会社が何のために加わっているのか、地元区民の目から見ると疑問だらけです。
「ALERO千石Ⅱ」では、設計会社において「条例逃れの設計をした」旨を堂々と認めさせ、有料老人ホームでは東京都に提出した「自己チェック票」で「地域住民から反対の声等があがっていないか」 の項目にチェックを入れていたことを発言させたのです。
地元区民の心情を理解しているとは言い難く、地元区民目線で考えているとは思えず、そうした心情や目線の大切さを直接の事業者側に伝えているとも思えません。
これらの業者にあっては、「説明会」を単にうまく乗り切ることだけしか考えず、穿った見方かもしれませんが、「説明会」をガス抜きの場にしようとしているように思えてしまいます。
地域特性に合ったもので、地域全体の価値上昇に貢献し、地域の住環境を維持し守るものであるのかどうか--。
地元区民の理解と納得を得るためには、こうした視点での説明が欠かせませんが、両プロジェクトにおける連絡先企業・説明業務者ともそうした視点に根本的に欠けるように映ります。
仮に文京区が、何らかの形で事業者と地元区民における「事前協議」や「事前調整」の手続きを定めても、こうした業者が間に入って、地元区民の心情を汲み取らず、事業者目線で説明するようであれば、手続きの効果は限定的になってしまうかもしれません。
(2019年8月6日)
千石4丁目の「ALERO千石Ⅱ」にしろ、西片の有料老人ホームにしろ、事業者側が早い段階で地元区民の呼び掛けに応じて「説明会」を開くことはいいことです。
できることなら、こうした事業者と地元区民における「事前協議」や「事前調整」のあり方を一定のルール(あるいは手続き)として確立しておきたいところです。
ただし、そこで重要なのは、事業側に於いて地元区民の疑問に誠実かつ真摯に答え、信用と信頼を醸成できるようにすること、もうひとつは事業者側に於いて、地元区民からの要望や要請を受け入れるだけの余地のある段階で「事前協議」や「事前調整」に応じることでしょう。
後者に於いて、ユニ・アジアキャピタルジャパンなどの事業者側はすでに詳細設計を固めており、「設計変更に絶対に応じられない」といった態度で臨んでいた時点で”失格”と言えるでしょう。
前者に於いても、ユニ・アジアキャピタルジャパンなどの事業者側は最初の「説明会」で、「条例逃れ」の設計をしていたことを堂々と公言し、さらに「説明会」の場で地元区民と約束したことを守らず、しかも工事に入ってからも残土積載ダンプの通行で車両制限令に違反するなど信用と信頼醸成に努めたとは言い難いものがありました。
残念なことに、後者の信用と信頼醸成という面で、西片の有料老人ホームも最初から躓きました。
有料老人ホーム運営事業者が、東京都との「有料老人ホーム設置に係る事前相談」に際し提出した「自己チェック票」の「事前相談計画書(基本的事項)」の6番目の「地域住民から反対の声等があがっていないか」 の項目にチェックを入れていたことを明かしたからです。
これには「説明会」会場が騒然とし、追及の声があちこちから上がりました。
はっきり言って、これでは地元区民をバカにしているとしか思えず、まとまる話もまとまらないと思わざるを得ません。
事業者の信用・信頼は一気に地に堕ちたと言っても過言ではないでしょう。
それもこれも、事業者側が「上から目線」で、ひととおりだけ形だけ説明し、住民からの疑問や不安、反対の声は「ガス抜き」程度に聞いておけばいいと思っているからではないでしょうか。
事業者と地元区民における「事前協議」や「事前調整」の手続きをしっかり定めることによって、事業者側に誠実さ誠意、真摯な態度を促し、はじめの一歩からの躓きをなくすようにしなければなりません。
(2019年8月5日)
ワンルームマンションではありませんが、西片で今、有料老人ホーム建設計画が持ち上がり、7月26日(金)に「建築計画説明会」が開催されました。
なぜ、「ALERO千石Ⅱ」のコラムで、この話を持ち出してきたかというと、有料老人ホームを計画する事業者もまた、地元区民の要請に応え、事業者側の「善意」によって「説明会」を開いたという共通項があるからです。
ちなみに、有料老人ホームの建設地は「第一種低層住居専用地域」であり、今回の有料老人ホームは3階建てであり、文京区の中高層条例の対象になるのです。(※第一種低層住居専用地域においては、軒の高さが7mを超える建築物又は、地階を除く階数が3以上の建築物の場合、中高層条例の適用対象となります)
ところが、事業者側によると、今回の「説明会」は中高層条例第七条(*1)に基づく正式なものではなく、その前の段階でのいわば事業者側の「善意」に基づく任意の「説明会」であるというのです。
「説明会」では、「計画概要」とともに建物のパースや大まかな設計図が配付されましたから、その点では「ALERO千石Ⅱ」のケースと同じと言っていいかと思いますが、決定的な違いもありました。
それは、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど「ALERO千石Ⅱ」の事業者側がはじめから「設計変更には応じられない」という強い態度で臨んだのに対し、西片の有料老人ホームの「説明会」では、設計変更に応じることもやぶさかではないといった姿勢を見せた点にあります。
もちろん、西片の有料老人ホームの事業者側がどこまで地元区民の要望に応えて設計変更に応じるのか、あるいは計画そのものの変更に応じるのかなど見通せませんが、少なくとも現時点に於いては「説明会」という名称は同じでも、地元区民側にしてみればその本質は全く異なることは明らかでしょう。
今後、「説明会」を”ガス抜き”の場にするのかどうか(あるいは結果的にそうなってしまうのかどうか)、注視していく必要があります。
(2019年8月2日)
(*1)文京区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例
(説明会の開催等)
第七条 建築主等は、中高層建築物を建築しようとする場合においては、隣接関係住民に建築に係る計画及び建築工事の内容について、説明会の開催その他の規則で定める方法(以下「説明会等」という。)により、説明しなければならない。
2 建築主等は、中高層建築物を建築しようとする場合において、周辺関係住民からの申出があったときは、建築に係る計画及び建築工事の内容について、説明会等により、周辺関係住民に説明しなければならない。
3 建築主等は、除去工事をしようとする場合においては、近接住民に除去工事の内容について、説明会等により、説明しなければならない。
4 開発事業者は、開発事業を行おうとする場合においては、近接住民に開発事業の内容について、説明会等により、説明しなければならない。
5 前各項の規定により説明する場合において、説明会を開催するときは、建築主又は開発事業者は、当該説明会に出席しなければならない。ただし、規則で定める場合は、この限りでない。
6 区長は、必要があると認めたときは、建築主等及び開発事業者に対し、第一項から第四項までの規定により行った説明会等の内容について報告を求めることができる。
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は、文京区のワンルームマンション条例と中高層条例の適用外でありながら、地元区民側の要請に応じて「説明会」を合計4回、開催しました。(※4回のうち1回は小規模なワーキンググループ方式、最後の1回は「工事説明会」)
単純にこれだけを捉えると、「ALERO千石Ⅱ」の事業者側は、地元区民に寄り添う優良企業のように映るかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。
ワンルームマンション条例と中高層条例の適用外を盾に、「説明会を開く義務はありません」と突っぱねる業者に比べれば、確かに物分かりのいい業者ということになるかもしれません。
しかし、「説明会」は形式的概念であって、あくまで建前として使われることを忘れてはならないでしょう。
「説明会」自体、あるいは「説明会」の開催自体に意味があるのではなく、事業者が地元区民側の疑問に応え、要望や注文を良く聴き、その地域全体に寄与・貢献する建築物をつくっていくことに意味があるわけで、そのひとつの手法が地元区民の呼び掛けに応じて開催された「説明会」に過ぎないのです。
ですから、「説明会」は何度、開催しようが、本質的な部分(=住環境を守り、地域社会の貢献につなげる)では平行線であり、最終的には事業者側が工事を半ば強行するということになるというわけです。
あたかも事業者側の「善意」によって「説明会」を開いてあげたのだというような認識は、言動に出なくても(出さなくても)地元区民は感じ取るものです。
「説明会」を単なる”ガス抜き”の場にするような事業者が優良企業であるとは到底、言えません。
(2019年8月1日)
たとえ地下1階/地上4階建て、高さが9.98mのマンションであったとしても、ファミリー向けが中心の分譲マンションであれば、地元区民の理解も得られやすかったかもしれません。
皮肉なことに、プロパストの方は文京区のワンルーム条例適用の文字通り、ワンルームマンションですが、ユニ・アジアキャピタルジャパンの「ALERO千石Ⅱ」はワンルーム条例の適用外ながら、ファミリー向けマンションではなく、やはりれっきとした事実上のワンルームマンションなのです。
プロパストの方は分かりませんが、「ALERO千石Ⅱ」は投資用マンションとして1棟売りすることが前提となっています。
駅にほど近い商店街に面したワンルームマンションと、閑静な住宅街に立地するマンションでは地域社会における役割が異なるのは当然かと思いますが、オルタナ投資会社のユニ・アジアキャピタルジャパンにとっては関係ない(あるいは考慮する優先順位としては極めて低い)のかもしれません。
ある意味、地元区民が目指す地域社会のあり方や方向性とは全く逆のマンションです。
文京区全体を見回して、千石4丁目界隈とは、みどり多く閑静な低層戸建て住宅街を目指すような地域ではないのか--。
ユニ・アジアキャピタルジャパンの「ALERO千石Ⅱ」はそうしたことも問うているような気がします。
そうした中で進む、地元区民の発意によるまちづくりと「地区計画」づくりがどのようになるのか、文京区の舵取りもまた問われることになるのではないかと思います。
(2019年7月31日)
プロパストの方の立地であれば、高さ9.99mの4階建てでも、誰も何も口を挟もうとしないでしょう。
事実、ワンルームマンション条例の適用を受けながら、「説明会」は開かれた形跡がありません。
一方、ユニ・アジアキャピタルジャパンの「ALERO千石Ⅱ」も高さは1cm違いの9.98mで、こちらは地下1階/地上4階建てを建てる計画です。
地元区民にしてみれば、ワンルームマンションだったとしても、周辺の住環境の兼ね合いからすれば、せめて3階建てとの思いが強かったと言えます。
そうでなければ、低層の戸建て住宅地はどんどん”侵食”され、4階建て以上のワンルームマンションだらけになってしまうからです。
「ALERO千石Ⅱ」の東側は3階の戸建て住宅、北側は2階の戸建てが並び、西側は更地でそのさらに西側は2階の戸建てとなっています。
実は最近、この付近に”地上げ屋”が出没しているとの話も聞きます。
ユニ・アジアキャピタルジャパンの「ALERO千石Ⅱ」が”呼び水”となって、ワンルームマンションの建設ラッシュになる可能性がないわけではありません。
ワンルームマンションの建設が相次ぐ中での「地区計画」づくりがどんな意味を持つのか--。
「ALERO千石Ⅱ」の建設は次の新たな問題へとつながっていくことが予想されます。
文京区は何のためにこの地域のまちづくりや「地区計画」づくりを支援するのか、その目的自体もまた問われることになります。
(2019年7月30日)
7月16日(火)からの続きとなります。
ユニ・アジアキャピタルジャパンの「ALERO千石Ⅱ」と、そこから直線距離で約70m前後のところのプロパストのワンルームマンションの違い--。
ともに用途地域としては「近隣商業地域」ですが、「ALERO千石Ⅱ」の方は商店街の通りから路地を入ったところ、一方、プロパストの方は商店街に面して建てられるところに違いがあります。
前面道路はと言えば、「ALERO千石Ⅱ」は幅員2m前後の「2項道路」なのに対して、プロパストの方は4m余りある道路となっています。
同じ「近隣商業地域」とはいえ、地元の文京区民に於いて「ALERO千石Ⅱ」は、閑静な住宅街、しかも商店街から路地を入った場所で、周囲には低層の戸建て住宅が多い住環境であるとの認識を持っているわけです。
地元区民にとっては、単に「安全・安心なまちづくり」を求めているだけでなく、みどり多く閑静な住環境、低層住宅中心で日照や採光、通風面でも快適な住環境という認識を持っているということになります。
果たして、ユニ・アジアキャピタルジャパン側にこうした認識はあったでしょうか。
都営三田線「千石」駅に近い「近隣商業地域」という認識しかなかったのではないでしょうか。
プロパストの方であれば、そういった認識でも構わなかったかもしれませんが、千石4-35-13に建てようとする「ALERO千石Ⅱ」は全然、違うわけです。
しかも、地元では「地区計画」づくりが進んでいるのです。(※プロパストの方では「地区計画」の動きはありません)
ユニ・アジアキャピタルジャパン側がこの違いをしっかり理解していなかったところに、ボタンの掛け違いの端緒があったように思えます。
(2019年7月29日)
7月17日(水)に「最大積載量7300kg」の7tダンプカーが「車両制限令」に違反するのを目撃してから、7tクラスのダンプを見かけなくなりました。
もしかしたら、私たちが気付かないだけであって、その後も建設残土の運び出しに使っていたかもしれません。
メーカーや車種によって違うでしょうが、7tダンプの全幅は2.3m前後です。
中山組の現場責任者によると、7tダンプでも何度か切り返せば、「車両制限令に違反することなく通行できる」ということでしたが、果たして本当にそうでしょうか。
具体的な軌跡図を確認していないので断定はできませんが、個人的には難しいだろうと思っています。
仮に計算上、可能であったとしても、誘導員を前後に配置して、何度も何度も切り返さなければならず、残土の運び出し作業は非効率にならざるを得ません。
その後、7tダンプを見かけなくなったのは、はじめから事実上、無理であり、見付からなければそのまま7tダンプを使って「車両制限令」に違反し続けたであろうということです。
商売上の信用や信頼を築くのは長い時間がかかりますが、信用や信頼を無くすのは些細な一瞬の出来事であるのは、マンション紛争や建築紛争でも同じです。
「車両制限令」に違反しても、地元や地元区民に目に見える被害は生じませんが、信用や信頼という目に見えない部分で大きく損なわれました。
「ALERO千石Ⅱ」の建設現場では2次掘削が終了したところですから、残土の運び出しもこれで終えたことになりますが、今後もミキサー車などの通行が見込まれるだけに、約束通り合法・適法に工事を進めるかどうか、監視の目を光らせなければなりません。
(2019年7月26日)
今回の件については、「区民の声」を通じて文京区への通報しました。
「区民の声」の投稿内容は以下のとおりです。
件名:文京区千石4-35-13の「ALERO千石Ⅱ」について
内容:本日(2019年7月17日)午前9時15分頃、「ALERO千石Ⅱ」の建設現場から残土を運び出すダンプカー(最大積載量7300kg)が、「特別区道文第849号」から「特別区道文第45号」に入るために右折する際、右側後輪が路側帯を踏んでいたため。車両制限令違反の疑いがあるため、文京区民として文京区に通報致します。
ダンプカーの車両ナンバーは「○○○○」です。
ユニ・アジアジャパンキャピタルや中山組など事業者側は、「特別区道文第849号」と「特別区道文第45号」については富坂警察署に於いて「道路使用許可」おを受けていないはずです。
そこで文京区にお尋ね致します。
(1)「○○○○」の車両は文京区に於いて「車両通行認定」や「車両通行許可」を受けているのでしょうか。
(2)もし、認定や許可を受けていないにもかかわらず、区道の路側帯を踏んで通行したのであれば、車両制限令違反であると思いますが、文京区の見解をお聞かせください。
(3)文京区民としては、こうした車両が車両制限令に違反する形で違法・不法な通行をすることを許容できません。文京区として事業者側に対し、どのような指導をして頂けるのか、文書にてご回答頂ければ幸いです。
なお、今回の詳しい状況等については下記サイトにて、証拠写真とともに公開しておりますので、参考にして頂きたいと思います。
https://juri-yawata.jimdofree.com/%E5%8D%83%E7%9F%B34%E4%B8%81%E7%9B%AE-alero%E5%8D%83%E7%9F%B3%E2%85%A1-%E7%96%91%E5%95%8F/
(2019年7月25日)
「信義則違反」という意味では、ユニ・アジアキャピタルや中山組など事業者側は、文京区に対しても犯したと言うべきでしょう。
事業者側が工事に当たって、何度か文京区土木部管理課を訪れていることは地元区民側が文京区に確認して知っています。
地元区民側も何度となく土木部管理課に行って「車両制限令」などについて説明を受けており、文京区から事業者側に対し工事車両の通行について色々と説明している旨を聞いていますから、建設現場の前面道路以外なら「車両制限令」に違反しても構わないと思っていることは考えられません。
そうであるなら、文京区としてもユニ・アジアキャピタルや中山組など事業者側が少なくとも文京区内においては「車両制限令」に違反することなく、工事車両を通行させていると思っているはずで、それなのに現実問題として違反していたわけですから、文京区との間の「信義則」にも違反していると言えるでしょう。
地元区民としては今回の件について文京区にも通報しましたが、文京区が四六時中、「車両制限令」違反がないかどうか監視することはできませんから、結局のところ性善説に立って、事業者側が今後は違反しないことを願うしかありません。
もちろん、文京区内には都道や国道も走っていますし、工事車両が文京区以外から来て、そして出て行くことを考えれば、文京区内でだけ「車両制限令」を守っていればいいというわけでもありません。
ユニ・アジアキャピタルや中山組など事業者側にはその点もしっかり認識してもらいたいと思います。
(2019年7月24日)
工事車両の通行ルートに於いて、こうした「車両制限令」違反のようなことが起こると、地元区民は周辺道路の監視強化を迫られ、過度な負担を強いられることになります。
そもそも地元区民は「説明会」等に於いて、「合法・適法に工事を進めてください」と何度も要請し、ユニ・アジアキャピタルや中山組など事業者側もその度に頷いていたわけですから、地元区民との間の「信義則違反」といえるでしょう。
こうした事態が起こるのは、ひとえにユニ・アジアキャピタルや中山組など事業者側が、地元区民を「ステークホルダー」と認識していないところにあるのではないでしょうか。
「合法・適法」に工事を進めるということは、コンプライアンス(法令順守)上も重要ですが、それと同時に地元区民に不安や心配をかけず、監視などといった不必要な負担を強いないという点も重要なはずですが、「ALERO千石Ⅱ」の事業者側はどうも違うようです。
地元区民が工事車両の通行ルート全てに監視カメラを設置したり、ボランティアで監視員を置いたりすることは事実上、不可能です。
だから「車両制限令」に違反しても構わないというのでしょうか。(※それは見付からなければ違反してもいいという発想につながります)
それとも、そうであったとしても「車両制限令」に違反しないように細心の注意を払おうと思うでしょうか。
誰が信用を損ねているのか、どちらが信頼を裏切っているのか--。
今回の件ではっきりしたと言えるのではないかと思っています。
(2019年7月23日)
ユニ・アジアキャピタルや中山組など事業者側は、千石4丁目の文京区民をバカにしているのではないか--。
事業者側からの発言を聞いていてこんな印象も拭えませんでした。
というのも、工事車両が「特別区道文第849号」を右折して「特別区道文第45号」に入る際、私たちが「車両制限令」違反の疑いを指摘した際に、事業者側がまず言ったのは「現場前の道路は『道路使用許可』を取っています」ということでした。
確かに、区道(特別区道文第49号)の「ALERO千石Ⅱ」建設現場の前面南側部分は富坂警察署から「道路使用許可」を受けています。
ですから、「車両制限令」に違反たとしても問題にならないのは「道路使用許可」を受けている部分だけであって、その他の道路は「車両制限令」を守って通行しなくてはならないのです。
それにもかかわらず、事業者側が「現場前の道路は『道路使用許可』を取っています」と言ったということは、あたかも私たち地元区民が関心を持っているのは建設現場前の道路だけであって、自分の家から離れた場所の道路については「車両制限令」を守ろうが守るまいが関心ないでしょう…と考えていることが透けて見えます。
地元区民の関心は目の前の建設現場だけにしかなく、ちょっと離れた場所で違反しても関心を示さず、違反に目くじら立てることもないだろうと思っていたとしか思えません。
事業者側がこれまでの「ALERO」シリーズの建設の際も同じ対応をしてきたかどうか分かりませんが、疑いを抱かせることだけは確かです。
建設現場の近くだけ守ればいいのではなく、地元区民の目が光っているから守るのでもなく、事業者側の責務として合法・適法に工事を進めることが求められているという基本中の基本を蔑ろにしていると言わざるを得ません。
地元区民としてはますます疑いの目を持って監視を強化していかなくてはならないということなのでしょうか。
(2019年7月22日)
ここに来て不思議に思うのは、「説明会」の際、「車両制限令」を守るため、事業者側は3t車を使うと言っていたことです。
しかし、7月17日午前9時15~17分にかけて目撃したダンプカーは最大積載量7300kgの7t車だったわけです。
こうなってくると、事業者側の「説明会」での説明全てが疑わしく思えてきます。
この後、ミキサー車も入ってくることになるわけですが、事業者側が「説明会」で示した「3t仕様生コン車」や「2.75tポンプ車」「3tユニック車」を本当に使うかどうか、目を光らせなければなりません。
さらに、事業者側が右左折時の車両の軌跡図を明らかにしたのは、建設現場(千石4-35-13)の前面道路から「特別区道文第849号」に入るための右折時のものだけでしたから、その他の通行ルートについても確認する必要がありそうです。
場合によったら、千石4丁目の様々な角で、何度も切り返す必要が出てくるかもしれません。
建設現場周辺は「スクールゾーン」が多く、午前(7:30~9:00)と午後(15:00~18:00)は特別な許可がない限り、工事車両が通行できません。
「スクールゾーン」の時間帯についても、違法な通行をしていないかどうか、地元区民がしっkりと目を光らせなければならないと言えます。
(2019年7月19日)
「ALERO千石Ⅱ」の建設現場から残土を運び出すダンプカー(最大積載量7300kg)が、「特別区道文第849号」(一方通行道路)から「特別区道文第45号」に右折して曲がる際、「車両制限令」に違反して路側帯を踏んで通行していた事実を、事業者側が認めました。
今後は何度か切り返し、路側帯を踏まないで通行することを約束してもらいましたが、果たしてその方法で本当に路側帯を踏まずに曲がりきれるのかどうか一抹の不安もあります。
加えて、「特別区道文第849号」と「特別区道文第45号」が交差する十字路は商店街の中心部に位置し、目の前には八百屋さんがあるため、大型ダンプが何度も切り返すことが歩行者や買い物者らの迷惑になることは否めません。
また、ダンプカーなどが国道17号線から建設現場(千石4ー35ー13)まで入るルート、さらに建設現場から不忍通りに出て行くルートについても確認する必要があるため、事業者側に両ルートを図示した資料を提出するように要望し、事業者側は明日中にも出すことを承諾しました。
どの道をどう曲がるかというルートと車両の大きさによっては、、「車両制限令」違反の懸念があるため、ルートを確認した上で、大型車両や特殊車両については車輪の軌跡図も提出してもらうことを考えたいと思います。
(2019年7月18日)
「ALERO千石Ⅱ」の建設現場から残土を運び出すダンプカー(最大積載量7300kg)に、車両制限令違反の疑いが浮上しました。
7月17日午前9時15分頃、千石4ー35ー13の現場から残土を積んだダンプカーが「特別区道文第49号」に出て、「フォーラム千石」の角を右折し「特別区道文第849号」に入りました。(※建設現場前の「特別区道文第49号」は所轄警察署にて「道路使用許可」を受けているため、車両制限令は適用されません)
その後、このダンプカーは「特別区道文第849号」(一方通行道路)を50mほど走り、「スズヤビル」の角を右折して「特別区道文第45号」に入ろうとしたわけですが、このとき、ダンプカーの右側後輪が路側帯に入って通行したのです(午前9時17分頃)。
その時の様子は動画で撮影しましたので、その静止画像が上記にあるものです。
ダンプカーの右側後輪の轍が路側帯上にあるほか、雨上がりだったため、右側後輪の轍が路側帯の白線を含めて軌跡として残っているのが分かるかと思います。
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側が「特別区道文第849号」や「特別区道文第45号」まで「道路使用許可」を受けているとは聞いておらず、このダンプカーが「車両通行認定」や「車両通行許可」を受けていないのであれば、車両制限令違反になるのではないでしょうか。
地元住民側は、事業者側に対し「説明会」のたびごとに、工事に当たっては車両制限令違反を含め、違法・不法なことは一切しないように求めてきましたが、無駄だったのかもしれません。
事業者側に対してだけではなく、文京区に対しても今回の疑惑を照会したいと思います。
(2019年7月17日)
「ALERO千石Ⅱ」から直線距離で70mもない所で、ジャスダック上場のプロパストが手掛けるワンルームマンション建設計画が進んでいます。
敷地面積は「ALERO千石Ⅱ」の1.7~1.8倍の313.7㎡--。ここに4階建てのワンルームマンションを建てる計画です。
両案件とも「近隣商業地域」であり、4階建てであることは「ALERO千石Ⅱ」と同じ、高さは「ALERO千石Ⅱ」より1cmだけ高い9.99mですから、こちらも文京区の「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例」の適用外となっています。
ただし、プロパストの案件の方は、文京区のワンルームマンション条例の適用を受けており、「建築計画のお知らせ」は同条例第6条第1項に基づいて設置されています。
なぜ、このコーナーで敢えて取り上げたかと言えば、プロパストの方はワンルームマンション条例の適用を受けていながら同条例に基づく「説明会」は開催されず、「ALERO千石Ⅱ」は同条例の適用外でありながら「説明会」を開催したという違いがあるからです。
この違いにこそ、「ALERO千石Ⅱ」の抱える”課題”があったと言えます。
ユニ・アジアキャピタルジャパン側が早い時点から気付いていたかどうかは分かりませんが、「ALERO千石Ⅱ」に関する「連絡先」企業の担当者も含め、しっかり把握できていれば、地元住民との交渉がもっと円滑に進み、ずっと早く着工できていたかもしれません。
(2019年7月16日)
ユニ・アジアキャピタルジャパンが地権者として「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」に入会しないままの方がいいかどうか--。
これもなかなか微妙な問題です。
「ALERO千石Ⅱ」の西側隣接地の土地オーナーも「協議会」には入っていませんから、そうした地権者が今後、どんどんワンルームマンションやシェアハウス等を建てていく可能性もないわけではありません。
文京区のHPに掲載されたように、単に「住宅市街地として安全・安心な住環境を守ること」はそれほど難しいことではありません。
https://www.city.bunkyo.lg.jp/bosai/machizukuri/machidukuri/kekaku2.html
なぜなら、今でもそれなりに「安全・安心な住環境」は守られているからです。
ですから、その意味では「地域のルールづくりを検討」する必要などないといえます。
問題は誰かが建て替えの際などに、隣接住戸の日照や通風などに悪影響を与え、「閑静でみどり多く快適」な住環境を守れなくなるケースです。
「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」に入会しない地権者が、ユニ・アジアキャピタルジャパンに倣って隣接住戸の日照や通風などに悪影響を与える建物を建てていくようであれば、ルールづくりもなにもありません。
仮にルールをつくったとしても、そのルールは何の効果ももたらさない形骸化したルールになることは明らかです。
「ALERO千石Ⅱ」は傍目からはどこにでもあるような「デザイナーズワンルームマンション」かもしれませんが、地域のまちづくりルールをつくろうとしている中になってはとてつもなく大きな意味を持つのです。
地権者としての”自覚”なるものがあるなら、ユニ・アジアキャピタルジャパンはまさにそのことを認識しなければなりません。
(2019年7月12日)
ユニ・アジアキャピタルジャパンが地権者として「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」に入るべきかどうかは、なかなか微妙な問題です。
同社が地元区民を「ステークホルダー」として重視し、「ALERO千石Ⅱ」を建てるに当たっても千石4丁目の住環境を守ることを大切に考え、近隣住戸への悪影響を最小限に抑えるべく設計変更にも応じたというのなら話は別です。
しかし、そうでないなら仮に「協議会」に入ることで、「住環境を守る」ためのルールづくりに向けた合意形成は困難になる懸念もあります。
その意味で、北側隣接地や西側隣接地における「離隔」を取る意思があったかどうか(それは設計変更に応じる意思があったかどうかということでもありますが…)は重要な”リトマス試験紙”でもありました。
結果は「NO」--。
つまり、対象エリアの中に自らの利益最大化を図り、そのためには他の犠牲も厭わない地権者が存在することがはっきりし、しかも地元住民もそれをある意味で黙認したということになります。
ユニ・アジアキャピタルジャパンはいすれ物件を高利回りの投資物件として売却するのですから、仮に地権者として「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」に入会したとしても”腰掛け”でしょう。
地権者としての”自覚”を問う前に、良識と常識ある企業としての“自覚”を問うことの方が地元区民にとっては重要かもしれません。
(2019年7月11日)
文京区のHPの「まちづくり活動の支援」のページに掲載された「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」--。
「検討内容」は「住宅市街地として安全・安心な住環境を守ることを目的に活動しており、地域のルールづくりを検討しています」と書いてありますが、この記載内容を「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」が承諾のもと文京区が掲載したか疑問に感じています。
というのも、「安全・安心な住環境」というのは、文京区がよく使うフレーズであって、千石4丁目に住む地元区民のひとりとしては「閑静な住宅街の住環境を守る」ことを主眼としてきたからです。
「安全」と「安心」は住環境の最低限の要素でしかありません。
「安全」でないところに住みたくはありませんし、「安心」できないところに住みたくもありません。
千石4丁目の地元区民のひとりとして求めている「住環境」は、いわば「安全」と「安心」を前提とし、それに上乗せする形での「閑静」で「みどり多く」「快適」であることです。
しかし、文京区のHPの記載からはそうしたことは読み取れません。
仮に、検討内容の記載が「住宅市街地として、閑静でみどり多く快適で完全・安心な住環境を守ることを目的に活動しており、地域のルールづくりを検討しています」となっていたらどうでしょうか。
ユニ・アジアキャピタルジャパンの「ALERO千石Ⅱ」は、「安全・安心」は損なわないかもしれませんが、「閑静でみどり多く快適」な住環境を守るという意味では全く問題がないとまでは言い切れないことは確かではないでしょうか。
(2019年7月10日)
文京区は6月28日にHPを更新し、「まちづくり活動の支援」のページに「現在認定している協議会」として「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」を掲載しました。
「検討エリア」は「千石4丁目35番、36番周辺」、「検討内容」は「住宅市街地として安全・安心な住環境を守ることを目的に活動しており、地域のルールづくりを検討しています」となっています。
「ALERO千石Ⅱ」は千石4-35-13であり、この対象エリアの中に建ちますが、建設に着手したユニ・アジアキャピタルジャパンは地権者であっても、「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」のメンバーではなく、しかも同協議会の会合に参加したこともありません。
ちなみにこの協議会が文京区から認定を受けたのは3月29日付--。文京区HPへの掲載はそれから3カ月後のことでした。
その間の「ALERO千石Ⅱ」を巡る動きは、3月5日に第2回「説明会」、22日に「個別協議」、5月9日に「工事説明会」が開催されています。
もし、文京区による協議会の認定がもっと早く、文京区HPへの掲載がもっと早ければ、「ALERO千石Ⅱ」を巡ってはまた別の動きになっていたかもしれません。
ユニ・アジアキャピタルジャパンにとっては”滑り込みセーフ”であり、だからこそ工事を急いだとも考えられます。
とはいえ、ユニ・アジアキャピタルジャパンが地元区民を「ステークホルダー」として重視し、地域の住環境に貢献することを掲げる企業であったなら、早い段階で「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」のメンバーとなり、地権者のひとりとして地域の住環境を守る視点に基づいた設計をしていたことでしょう。
「たら・れば」をいろいろと思い巡らしても仕方ありませんが、地元住民が「千石4丁目(南)地区まちづくり協議会」を組織してまちづくりのルールづくりに取り組むなか、全くお構いなしに”条例逃れ”のワンルームマンション建設が進んでいるということになっています。
(2019年7月9日)
「地区計画」づくりとの関係で言えば、隣接地との「離隔」の問題があります。
「ALERO千石Ⅱ」に関して言えば、ユニ・アジアキャピタルジャパン側はギリギリまで敷地を有効活用する観点から、隣接境界線からの「離隔」も必要最小限にしました。
地元住民側は、西側隣接地との「離隔」をもっと取るよう求めましたが、設計変更を要することから、ユニ・アジアキャピタルジャパン側は拒否し続けました。
こうなってくると、「ALERO千石Ⅱ」の西側隣接地において建物が建つ際には、よほど物わかりの良い業者でない限り、「ALERO千石Ⅱ」同様、隣接境界との「離隔」は必要最小限とし、敷地ギリギリに建物を建てようとするでしょう。
そうなると、今後は西側隣接地の北側隣接住戸の日照権や通風権が奪われ、さらに西側住戸にも影響が出て、「千石4丁目南地区N街区」の住環境は「地区計画」が実現する前に悪化の一途を辿ることになります。
現時点では「ALERO千石Ⅱ」の西側隣接地に何が建つか分かりませんが、もし「ALERO千石Ⅱ」同様に「ワンルームマンション」が建つなら、「ワンルームマンション」の”ドミノ現象”になりかねません。
というのも、周辺隣接住戸が、これまで同様の日照権や通風権を確保し、それなりの住環境を得られるようにするには、その土地を売却して別の地域に移転するしかないからです。
そうなれば、その土地にはまた、「ワンルームマンション」が建ち、いつのまにか「千石4丁目南地区N街区」がワンルームマンションの集積地になることも考えられます。
後から振り返ると、「ALERO千石Ⅱ」がその先駆けであり(既に千石4ー1ー16に「ALERO千石」はありますが…)、ユニ・アジアキャピタルジャパンが千石4丁目におけるワンルームマンション集積地形成の端緒を拓いたという日が来るかもしれません。
(2019年7月8日)
「ALERO千石Ⅱ」に関して言えば、ユニ・アジアキャピタルジャパン側が最後まで設計変更に応じなかったため、北側隣接住戸において日照権や通風権が侵害されることになりました。
ユニ・アジアキャピタルジャパン側は「裁判を起こすなら起こせばいい」といった態度でしたが、これでは「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての“自覚”に欠けると言われても仕方ないでしょう。
もちろん、侵害の度合いが許容限度を超えて大きければ裁判で勝てるかもしれませんが、そうでない限り住民側は“泣き寝入り”しなければなりません。
「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての“自覚”とは、侵害の度合いが許容限度を超えずとも「地域の住環境を守る」ことに配慮するということであり、合法・適法であったとしても、地域全体の住環境を守る観点から設計変更に応じるということを意味します。
しかし、ユニ・アジアキャピタルジャパン側は「地区計画」づくりが進む地域の地権者でありながら、隣接住戸・住民の住環境を犠牲にしてでも自らの最大利益を追求することにしました。
これもまた、「千石4丁目南地区N街区」においては”悪しき前例”となりそうです。
地上4階建ての「ワンルームマンション」ならずとも、3階建て住宅であっても、日照権や通風権、さらには圧迫感などで隣接住戸に影響を与える場合が出てくるでしょう。
そうした際、「『ALERO千石Ⅱ』では許されて、どうして私の建物はダメなのですか」ということになるやもしれません。
ユニ・アジアキャピタルジャパンにおける「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての“自覚”なき言動は、結果として「千石4丁目南地区N街区」の先行きに暗い影を落とすことになります。
(2019年7月5日)
「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての“自覚”があったなら、いきなり設計図を出してきて有無を言わさず、飲ませるようなことはしないでしょう。
もちろん、細かなところで変更はありましたが、ユニ・アジアキャピタルジャパン側は、当初の設計を見直すことは断固拒否し続けました。
つまり、「千石4丁目南地区N街区」においては、この先、「地区計画」づくりがどのように進むかは別にして、地権者がいきなり設計図を示し、近隣住民から何をどう求められようが決して設計変更はしないという”前例”ができたことになります。
その前例を作ったのはユニ・アジアキャピタルジャパンであり、今後、いかなる地権者においても「ユニ・アジアキャピタルジャパンはそうでしたよね…」ということになるわけです。
しかし、もしユニ・アジアキャピタルジャパン側に、「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての“自覚”が少しでもあったなら、そうしたことはしないでしょう。
自らのやり方が”前例”になることに思い至れる良識と常識があれば、地域住民(少なくとも「地区計画」づくりの対象エリア)と話し合いを通じて設計変更にも十何位応じたはずすし、応じなければならなかったはずです。
地権者が自ら購入した土地を最大限有効活用し、最大利益を得ることにおいて、一歩も譲らない姿勢を貫いたことは、ある意味において、「千石4丁目南地区N街区」の「地区計画」を”骨抜き”にしたとも言えます。
目先で言えば、「ALERO千石Ⅱ」の西側隣接地の更地にどんな企業が何を建てようが、もはや「地域の住環境を守る」という”理屈”は通用せず、ユニ・アジアキャピタルジャパンと同じようなやり方が通用してしまうということになるのです。
(2019年7月4日)
「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての“自覚”とは何か--。
ひとつは地域の住環境を守る義務を負うということ、もうひとつは「地区計画」づくりに協力していくこと、3つ目は先の2つとも密接に関連しますが、エゴを抑えるということです。
簡単な話ですが、例えばこの土地の地権者が地元住民であったらどうでしょうか。
地域の住環境を守る義務を負う自覚はあるでしょうし、「地区計画」づくりに協力していくでしょうし、この土地に何を建てるにしても、自らのエゴは抑えたことでしょう。
しかし、ユニ・アジアキャピタルジャパンにはそうした態度は見られませんでした。(※少なくとも地元住民のひとりとしてそう思えませんでした)
それはこの地域への新規参入者だったからなのか、法人であったからなのか、ユニ・アジアキャピタルジャパンだったからなのかは分かりません。
先週もお伝えしたように、「連絡先」企業という訳の分からない第三者が入っており、主としてこの「連絡先」企業の社員なる者が中心になっていたからです。
当然のことながら、この「連絡先」企業に対して、「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての“自覚”を問うことはできません。
ですが、ユニ・アジアキャピタルジャパンは、この「連絡先」企業を盾として、あるいは”隠れ蓑”として使い、自らは一歩引いて責任や義務といったものを避けていたように見受けられました。
「説明会」を何度開催しても、最終的にユニ・アジアキャピタルジャパン側が「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての“自覚”を持たなければ、信用と信頼を醸成することはできません。
ユニ・アジアキャピタルジャパン側が工事を半ば強行したことは、地権者としての“自覚”を持たなかった証しとも言えるかと思います。
(2019年7月3日)
「ALERO千石Ⅱ」建設地周辺の地元住民を対象とした「説明会」において、地元住民側は「地区計画」づくりが進んでいること、すでに地域のまちづくりルール「千石憲章」の素案ができていることなどをユニ・アジアキャピタルジャパン側に伝えました。
「説明会」に出席していたユニ・アジアキャピタルジャパン側社員は「地権者としての自覚」について理解を示すかのような発言もありましたが、それはあくまで”建前”であり、「地権者」としての”自覚”があることを具体的に明確に示す行動は取りませんでした。
それは地元住民にとっては、あたかも「千石4丁目南地区N街区」として進む「地区計画」づくりを”無視”するかのようであり、少なくともユニ・アジアキャピタルジャパン側が地権者として「千石4丁目南地区まちづくり協議会」を訪れて、「地区計画」づくりの説明を聞くようなことが一度もなかったことからも裏付けられるでしょう。
ユニ・アジアキャピタルジャパン側が「よく調べもしないで土地を購入してしまった…」と後悔したかどうかは知る由もありませんが、もしそうであったならその”ミス”の責任は自らが負うべきであり、後悔したとしても「地区計画」づくりが進んでいる地域の地権者として振る舞う必要があったはずです。
しかし、地元住民がいくら「地区計画」づくりが進む地域の地権者としての”自覚”を問うても、ユニ・アジアキャピタルジャパン側はどこ吹く風で聞き流し、最後の「説明会」では貝のように堅く口を閉ざしたまま、地元住民を無視するかのような態度まで取り始めました。
もしかすると、ユニ・アジアキャピタルジャパン側においては、「所詮は何年後かに1棟売りして地権者ではなくなる」と考えていたのかもしれません。
ですが、たとえ短い期間であっても、「地区計画」づくりが進む地域の地権者となったわけですから、その“自覚”ある行動が求められていたはずです。
良識と常識を持ち合わせた企業であり、経営トップが良識と常識を持ち合わせているなら……。
(2019年7月2日)
「ALERO千石Ⅱ」に限ってのことかもしれませんが、ユニ・アジアキャピタルジャパンにおいては、「地権者」としての”自覚”が求められていましたが、結局、最後までそうした”自覚”が感じられることはありませんでした。
「ALERO千石Ⅱ」の建設地である千石4-35-13は、「千石4丁目南地区N街区」として「地区計画」づくりが進んでいました。
ユニ・アジアキャピタルジャパンは、「地区計画」づくりが進む「千石4丁目南地区N街区」の土地を購入し、地下1階・地上4階建ての「ワンルームマンション」を建てようとしたわけです。
建設地が「千石4丁目南地区N街区」に含まれることを、ユニ・アジアキャピタルジャパンがどこまで把握していたかは不明ですが、不動産会社としての社会通念上の常識に従えば、土地購入以前の何らかの調査で把握すべきであっただろうと、わたしは思っています。
というのも、「ALERO千石Ⅱ」建設地の西側隣接地は更地になっており、周辺には「カプセルホテル建設反対」の「のぼり」がたなびいていたからです。
西側隣接地は、スマートデイズ(既に経営破綻)が簡易宿所「宿処 龍馬」を建設しようとしており、反対運動が盛り上がりました。
こうした状況を考えると、ユニ・アジアキャピタルジャパンが事情を全く知らずに土地を購入したとは考えられず、地元住民にからしてみれば、事情を承知で購入したのであろうという信じるに足る相当性はあったといえるでしょう。
それはとりもなおさず、ユニ・アジアキャピタルジャパンが、「地区計画」づくりが進む「千石4丁目南地区N街区」の地権者として入ってきたことを意味し、ユニ・アジアキャピタルジャパンにはその「地権者」としての”自覚”が問われることになるわけです。
(2019年7月1日)
では、「連絡先」企業がいなければどうなっていたか? もっと両者(ユニ・アジアキャピタルジャパン側と地元住民側)にとって円滑に話は進んだでしょうか。
何事もそうですが、よほどのスキルとノウハウ、識見を持つ仲介者でない限り、第三者が首を突っ込んでいいことなどあるはずがありません。
今回の場合も、「説明会」に出席したユニ・アジアキャピタルジャパンの社員が単に”楽”をしただけで、ユニ・アジアキャピタルジャパンの社員が中央に陣取り、地元住民からの質問に真摯に答える姿こそ、地元住民の信頼を得たであろうことは想像に難くありません。
ユニ・アジアキャピタルジャパン側が「ALERO」シリーズの全ての物件において、「連絡先」企業を使っていたかどうか知りません。
しかし、ユニ・アジアキャピタルジャパン側が、「連絡先」企業を使い続ける限り、ユニ・アジアキャピタルジャパン側が住民目線というものを真に感じ取ることはなく、住民目線との大きな乖離が縮まることはないでしょう。
これは事業者側と地元住民側の”ボタンの掛け違い”などによるものでは決してなく、事業者側におけるそもそも地元住民と臨む意識と姿勢に問題があったと言わざるを得ません。
そして、そうした不審と不信を増幅することにつながったのは、まさしく「連絡先」企業でもあったということです。
(2019年6月28日)
マンション紛争や建築紛争を調べていくと、「住民対策会社」なるものを見かけます。
その目的は「(地元住民に)諦めさせること」であり、「『話し合いをする』体をとりつつ」、「情報を小出しにしたり、あるいは出さなかったり」して、「なんとなく誤魔化し」、「押し切る」といったもので、「地域の人々に対する真摯な姿勢はほとんど見られない」ということです。
実際に、「住民対策会社」なる企業の社員と話したことはありませんから、比べようもないわけですが、「連絡先」企業が「連絡」業務以外にしていることは、実質的に「住民対策会社」と変わらないような気がします。
「『話し合いをする』体をとりつつ」というところはまさにそうでしたし、「情報を小出しにしたり、あるいは出さなかったり」というところも同じでした。
「なんとなく誤魔化す」というところも、少なくとも地元住民側としてはそう感じましたし、「押し切る」というところは全くその通り。
事業者側、「連絡先」企業の社員とも、彼らなりに真摯な姿勢を見せたつもりかもしれませんが、正直言って最後まで伝わりませんでした。
もちろん、真摯な姿勢を見せたつもりが重要であって、伝わろうが伝わらなかろうが関係なく、最後は「押し切ればいい」ということだったのかもしれません。
地元住民側においても、ユニ・アジアキャピタルジャパン側が「『最後は押し切ればいい』と考えているのではないか」とずっと思っていたわけですから、もしユニ・アジアキャピタルジャパン側にそうした疑念を払拭する気があったのなら、最初から態度は違ったものになっていたことでしょう。
結局のところ、最初から最後まで、まるで「住民対策会社」のような「連絡先」企業が入ってきたことで、地元住民との意識の乖離は増幅されたと言えます。
(2019年6月27日)
ウォームビズやクールビズの時代ですから、ビジネスの場でもそれなりにラフな格好は許されるでしょう。
しかし、「説明会」や戸別訪問での対応でひとつ間違えば”紛争”に発展しかねないリスクを孕んでいることを考えれば、地元住民の前に出る際の服装には気を遣うのが良識と常識ある対応といえます。
それはルール上、マナー上、慣習上、許されるk許されないかという問題とは別に、地元住民の受ける印象(それは好感度、嫌悪度といってもいいかと思いますが…)によって変わるからです。
その点、事業主体を構成するユニ・アジアキャピタルジャパン、設計事務所、施工・管理会社の社員はそれなりの服装で「説明会」に出て来ましたし、戸別訪問の際もそうでした。
ただ、それと比べ、「連絡先」の社員については違和感を拭えないものだったというのが率直な印象です。
少なくとも、地元住民の中に入って事業を手掛けるわけです。
事業者側は地元住民の理解を得る必要があるわけです。
それは単純に言えば、「お願いする」立場ではないでしょうか。
もし、地元住民側に、「それがお願いする立場の人の身なりか」と思われないようにすることが必要でしょう。
「連絡先」企業の社員が、当事者である中核事業者の足を引っ張るようでは何のためにわざわざ契約したのか分からなくなってしまいます。
住民目線というものを意識しているのか、住民目線で考えているか--。
「連絡先」企業の社員に関して言えば、服装ひとつとっても住民目線との大きな乖離を感じずにはいられませんでした。
(2019年6月26日)
TNアセットマネジメントの社員がユニ・アジア発足時からの経緯を何から何まで熟知しているというのなら、また話は別かもしれません。
「ユニ・アジアキャピタルジャパンに代わりまして、ご説明申し上げます」と言って、詳しい説明をすればいいわけです。
しかし、実際のところは熟知しておらず、かといって広報業務の経験を豊富に積んでいるとも思い難く、その場しのぎの対応に終始していた感が否めません。
問題はその後です。
「説明会」において中央に陣取るだけではなく、あたかも事業主体の中核社員であるかのように振る舞い、地元住民からの説明に答えるわけです。
地元住民から見れば、事業主体の社員ではない、単なる「連絡先」担当者がどうして代表して説明するのか全く理解できませんし、当事者でもない(※「連絡先」としては当事者であるかもしれませんが…)人間がどうして責任ある話をできるのかも疑問なわけです。
経営の意思決定と関係なく、事業の責任を負わない第三者の話すことなど信用できないとの思いは、地元住民にしてみれば当然でしょう。
それでも、敢えてユニ・アジアキャピタルジャパンがTNアセットマネジメントの社員を「連絡先」として使い、「説明会」において中央に陣取らせて説明させた狙いはどこにあったのか。
それは言い換えれば、住民目線との間に大きな乖離が生じるのを承知でなぜそうしたのかということになりますが、地元住民軽視の姿勢があったと思わずにはいられません。
形だけ「説明会」を開き、文京区にも「説明会を開きました」という”アリバイ”づくりではなかったのかという疑いが芽生え、それは最後には確信に変わることになりました。
(2019年6月25日)
マンション紛争や建築紛争においてほぼ共通することは、事業者における”住民目線”との大きな乖離です。
それはまず、「説明会」の段階で顕在化するわけですが、「ALERO千石Ⅱ」のユニ・アジアキャピタルジャパンにおいても例外ではありませんでした。
地元住民が「説明会」でまず知りたいこと、確認したいこと--。
それは事業者が信用でき、信頼の置ける会社であるかどうかであって、事業計画や建物の概要などは二の次です。
しかし、事業者はどういうわけかその点を理解せず(理解しようともせず)、すぐに事業計画や建物の概要の説明に入りたがります。
先週も指摘しましたが、事業者が一部上場企業であったり、仮に上場していなくても長い社歴と知名度があり、わざわざ説明を要しないならいざ知らず、そうでないなら、まずは自社を知ってもらうために丁寧に説明するとい段取りが欠かせないはずです。
そして、そのためには事業者の社員自らが説明するのが筋であって、決して人任せ(別の会社任せ)にしないというのも”鉄則”ではにでしょうか。
ユニ・アジアキャピタルジャパンが実質上の事業主体であるなら、ユニ・アジアキャピタルジャパンの責任ある社員が責任を持って出てくる必要があり、この段階で杜撰でいい加減な対応をしていては、出だしから躓いたも同然です。
第1回目の説明会は、地元住民の信用と信頼を勝ち取るために、全てを自社の説明に費やすぐらいの意気込みがなければならないはずですが、ユニ・アジアキャピタルジャパンからそうした認識と気概を感じることはありませんでした。
「連絡先」として契約したTNアセットマネジメントに任せておけばいいと考えていたのであれば、地元住民軽視もいいところですし、仮にユニ・アジアキャピタルジャパンとTNアセットマネジメントの契約がそういった内容になっていたとしたのなら、そもそもの段階で対応を間違えたというべきでしょう。
「説明会」において、事業主体ではないTNアセットマネジメントの社員が中央に陣取る光景は、地元住民にとって異様以外の何ものでもありませんでした。
司会・進行役に徹するのであれば、中央に陣取る必要などないわけですから…。
(2019年6月24日)
ユニ・アジアキャピタルジャパンの「組織図」を見ると、組織上は「コンプライアンス委員会」があり、「コンプライアンス・オフィサー」もいて、さらに「内部監査人」もいることになっています。
しかし、”机上”ではなく、実態としてあるかどうかというとよく分からないと言わざるを得ません。
なぜなら、「コンプライアンス委員会」はどういうメンバーで構成されているのか明らかにしていませんし、誰が「コンプライアンス・オフィサー」で、誰が「内部監査人」なのかもHP上で明記していないからです。
一方、「会社概要」を見ると、 代表取締役社長、取締役会長のほか、3人の取締役と1人の監査役の名前が書いてありますが、このうち4人には※印が付いていて、「Uni-Asia Group Limitedの役員、スタッフを兼務」しているとなっています。
社外取締役はおらず、役職員数は17人となっています。
こうした会社組織において、「コンプライアンス委員会」があり、「コンプライアンス・オフィサー」がいるというのはちょっと”大袈裟”に映ります。
もちろん、17人という役職員数の会社でもしっかりとコンプライアンスを根付かせる意味で、こうした委員会や担当者を置くのは大切です。
ただ、一方で形だけ置けばいいわけでないことも事実です。
「コンプライアンス委員会」を設置し、「コンプライアンス・オフィサー」を置くより前に、「ステークホルダー」として地元住民を含め、CSRの概念を取り入れ、地域社会との信頼醸成を通じた共生や貢献のあり方を考える方が先ではないかと思ってしまいます。
(2019年6月21日)
ユニ・アジアグループのHPで、日本の不動産投資のページを見ると、以下のような記載があります。
金融商品取引業と総合不動産投資顧問業の登録業者であるユニ・アジアキャピタル(ジャパン)株式会社(以下、「UACJ」)はグループの日本における不動産アセットマネジメント事業を展開し、ユニ・アジアインベスト株式会社が不動産投資事業を手掛けます。
UACJは日本の不動産ファンド業界創成期から今日まで積み上げた豊富な実績を基に下記の事業を展開しています。
1)投資助言
お客様のリスク・リターン選好をお伺いした上で、投資対象、投資方法をご提案させて頂きます。そのためUACJは投資判断において
正確なデューディリジェンスを実施しております。UACJはお客様の健全な投資をサポートするために、マーケット情報を含む投資情報を提供致します。
2)アセットマネジメント
UACJはや住宅やホテル投資に特化した多様な不動産投資に対するアセットマネジメントサービスを提供致します。
3)コンストラクションマネジメント
UACJは、設計会社やゼネコンの選定から、設計デザインのアドバイス、また建設期間の管理と建物竣工後のリースアップまで、不動産開発をトータルにサポートさせて頂きます。
4)仲介サービス
今日まで積み上げた強固な不動産ネットワークをベースに、UACJは売買仲介を含む不動産の仲介サービスをお客様へ提供致します。
これに続く、「ALEROシリーズ」の説明は次のようになっています。
これまで培った不動産分野の実績と経験を活かし、東京における小規模住宅開発プロジェクトを「ALERO」シリーズと称して展開しています。これらのプロジェクトへの投資は、子会社のユニ・アジアインベストメントが担当しています。ALEROシリーズは、首都圏で働く独(単)身男女/DINKS世帯の需要に対応した4-5階建、10-30ユニットのワンルーム/メゾネットタイプの集合住宅です。グループはプロジェクトに最適な土地を取得し、開発からリースアウト、売却まで、または保有することで投資実現益や賃貸収入を計上し、グループ収益に貢献しています。 また、同事業を基に、投資家に対する投資機会の創出も行っています。
しかし、「ALERO千石Ⅱ」に関する限り、「説明会」にユニ・アジアインベストメントの社員はいませんでした。(※出席者の名刺をもらっていますが、少なくともその名刺の中にユニ・アジアインベストメントの社名の記載はありません)
ユニ・アジアインベストメントは実態のない”ペーパーカンパニー”なのでしょうか?
「説明会」を開催するのであれば、まずはじめに自らの会社組織の内容や事業スキームのあり方などについて丁寧に説明すべきでしょう。
三菱地所や三井不動産、住友不動産、野村不動産など大手不動産会社ならそうした説明は要りませんが、そうでないならまずは自らの企業についてしっかり理解してもらうことに最大限の配慮を払うのが良識と常識を持ち合わせた企業というものです。
(2019年6月20日)
地元住民がなぜ事業スキームにこだわるのかと言えば、「責任の所在」がどうなっているか確認したいというひと言に尽きます。
それは真の「交渉相手」は誰なのか?ということとも直結しますが、ユニ・アジアキャピタルジャパン側は最後まで曖昧なままに終始しました。
ユニ・アジアキャピタルジャパンの親会社でるユニ・アジアグループのHPを見ると、「金融商品取引業と総合不動産投資顧問業の登録業者であるユニ・アジアキャピタル(ジャパン)株式会社(以下、「UACJ」)はグループの日本における不動産アセットマネジメント事業を展開し、ユニ・アジアインベスト株式会社が不動産投資事業を手掛けます」とも書いてありますが、「説明会」においてユニ・アジアインベストの詳細な説明はありませんでした。
「説明会」にはユニ・アジアキャピタルジャパンの社員が出席していましたから、それなりの「責任」を負うつもりなのでしょうが、「説明会」における具体的な説明は”連絡先”となっている別の企業の社員がしており、「ユニ・アジアキャピタルジャパン」-「ユニ・アジアインベスト」-「合同会社」-「一般社団法人」の責任関係は全く不明です。
これでは、何か起きた際の「責任の所在」を曖昧にするための事業スキームではないかと勘繰ってしまっても不思議ではありませんが、それに対してユニ・アジアキャピタルジャパン側は明確な説明をしていません。(※地元住民からすると避けているようにすら映ります)
事業者側からみれば合理的な事業スキームなのかもしれませんが、地元住民からすれば複雑怪奇な”ブラックボックス”のようであり、地元住民の意向を尊重し、地元住民との信頼関係を醸成するつもりがあるなら、事業スキームと「責任の所在」の関係についても、丁寧に説明する必要があったはずです。
責任分担があったのであれば、どのような分担があり、それらの責任が法的にどう担保されているのかも、地元住民側に説明する必要があったと思いますが、それもありませんでした。
地元住民に分からせる必要はないとか、説明しても理解できないだろうというような考えが根底にあったとしたなら、極めて遺憾と言わざるを得ません。
(2019年6月19日)
「ALERO千石Ⅱ」の事業スキームについても、地元住民から見ると分かりにくさが否めません。
建築主は「合同会社ALERO32」となっており、その合同会社の代表社員は「一般社団法人アレーロ・プラス」で、職務執行者は税理士となっています。
どうしてこういうスキームになっているのか、ユニ・アジアキャピタルジャパンは投資用不動産物件では特に珍しいスキームではないと言っていましたが、確かにそうなのかもしれません。
ただ、地元住民をステークホルダーの一員として重視しているのであれば、自ら進んで丁寧に説明することが求められますが、地元住民側が根掘り葉掘り聞かないとなかなか答えませんでした。
地元住民側のどれだけがこの事業スキームを理解したかは分かりません。
断片的な説明をつなぎ合わせて分かったことと言えば、ユニ・アジアキャピタルジャパンが「利益を追求する」ためのものだったということぐらいです。
本来であれば、「合同会社」とはどういうものか、その代表社員がなぜ一般社団法人であり、その一般社団法人はなぜ「アレーロ・プラス」という名称なのか、職務執行者はなぜ、ユニ・アジアキャピタルジャパンの役職員ではなく、税理士なのか--など、丁寧に説明を尽くさねばならないはずでしたが、そういうことはありませんでした。
ユニ・アジアキャピタルジャパン側が詳しく説明したくなかったのかもしれませんし、「説明会」に出席していたユニ・アジアキャピタルジャパンの社員は地元住民に詳しく説明できるほどには専門的な知識を持ち合わせていなかったのかもしれません。
事業スキームに関して地元住民の納得を得るというステップなしに説明が進み、着工となってしまいました。
(2019年6月18日)
ユニ・アジアキャピタルジャパンのHPを見た限り、CSRの言葉はどこにも出てきません。(※見落としがあるかもしれませんが…)
ある意味、今どきの企業としてCSRを謳わない(打ち出さない)のは珍しいぐらいですが、「ALERO千石Ⅱ」の事業の進め方(特に地元住民に対する合意の取り付け方など)を振り返ると納得がいきます。
Wikipediaによると、CSRとは「企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的(ボランタリー)に社会に貢献する責任のこと」であり、「企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をする責任を指す」とあります。
他の「ALERO」はどうか知りませんが、「ALERO千石Ⅱ」においては、ユニ・アジアキャピタルジャパンは「企業の利益を追求する」のみであり、必ずしも「社会へ与える影響に責任」を持っているとは言えず、地元住民からの「要求に対して適切な意思決定をする責任」を果たしているとは思えません。
「ALERO千石Ⅱ」における地元住民との向き合い方や説明責任の果たし方を見る限り、経営理念や経営方針としてCSRを謳わない(打ち出さない)のではなく、謳えない(打ち出せない)のではないかと思えてきます。
(2019年6月17日)
取り壊し前のマンションには駐車スペースが設けられており、それは西側にありました。
つまり、北側にある2階建て住宅から見ると、その駐車スペースを通じてそれなりの日照が得られていたということになります。
しかし、ユニ・アジアキャピタルジャパンの「ALERO千石Ⅱ」は、西側も敷地ギリギリまで建物を建てる計画になっており、そうなると北側にある2階建て住宅にとって日照だけではなく、通風、採光面でも大きな影響を受けることになるのは疑う余地がありません。
もし、旧マンション敷地の残り3分の2もこの地権者がマンションを建てる計画であったなら、そのようなことはしなかったはずです。
その地で住み続け、周辺に住む区民との関係が続いていくからです。
ところが、ユニ・アジアキャピタルジャパンは企業であり、しかもそのマンションを数年のうちに投資用マンションとして第三者に売却してしまうのです。
傍目には個人の住宅の隣に「デザイナーズワンルームマンション」が建つだけに見えるかもしれませんが、事業者が利益だけを求めて建てる建物と、そこに生活し続ける地元住民が建てる個人住宅で、どれだけ違うか一目で分かるケースなのです。
もちろん、ユニ・アジアキャピタルジャパンが、ステークホルダーとして地元区民のことを考えていれば、北側や西側にそれなりの離隔距離を取った建物にしたはずで、現状のようなことにはならなかったでしょう。
文京区を特色付ける閑静な住宅街がこのようにして”蝕まれていく”象徴事例と言えるかと思います。
(2019年6月14日)
全国的にマンション紛争や建築紛争は珍しいことではありませんが、ユニ・アジアキャピタルジャパンが千石4丁目に建設する「ALERO千石Ⅱ」に関して言えば、ひとつの象徴的な出来事が見て取れます。
実は、「ALERO千石Ⅱ」の敷地と東隣の個人住宅の敷地にはひとつのマンションが建っており、これを取り壊した際に敷地が分割されたのです。
正確な広さは分かりませんが、ほぼ3分の1の土地に地権者が3階建ての個人住宅を建て、残り3分の2を売却し、そこにユニ・アジアキャピタルジャパンが地価1階・地上4階建ての「ALERO千石Ⅱ」を建てることになりました。
何が象徴事例かというと、個人住宅の方は北側に駐車スペースを設けており、北側にある2階建て住宅から見れば。それなりに境界線からの距離が取られているわけです。(※単純計算で自動車の幅の分はあります)
北側の2階建て住宅にしてみれば、南側に3階建て住宅ができるので、日照に影響が出るはずですが、駐車スペース分の離隔距離が確保されているため、その影響は低減されているはずです。
しかし、ユニ・アジアキャピタルジャパンは違います。
ユニ・アジアキャピタルジャパンは事業者であり、利益最優先/利益最大化を求め、敷地いっぱいに「ALERO千石Ⅱ」を建てるのです。
これでは、北側の2階建て住宅にとって日照に大きな影響が出るほか、4階建てという高さもあり、相当の圧迫感を強いられることになります。
隣の個人住宅と同様、北側の離隔を取ればいいわけですが、そうはしません。
地元住民と、外から入ってきた開発事業者で、同じような土地(今回は分割した隣接地)でも、こうした違いが出てくるというわけです。
これでは、近隣住民や周辺住民、地域の住環境を考えない開発事業者への抵抗感や反発が強まっても仕方ないでしょう。
(2019年6月13日)
こうした「事前協議」や「事前調整」を、机上の空論、あるいは理想論に過ぎないと言う区職員がいるかもしれません。
しかし、開発事業者が建物の設計に入る前に、何らかの形で地元住民との「事前協議」や「事前調整」の仕組みが求められていると言えるでしょう。
そのことは、「ALERO千石Ⅱ」を巡るユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側と地元住民側の実際の交渉過程を振り返れば明らかです。
結局のところ、「設計を変更してほしい」という地元住民側と、「設計変更はできない」という事業者側の対立が最後まで続き、そのことが着工してなお、尾を引いているからです。
もし、設計に入る前、あるいは設計に入った直後ぐらいの時期に、地元住民と「事前協議」や「事前調整」に入っていれば、最終的には両者が納得する形での設計図ができたことでしょう。(※事業者側、地元住民側双方が良識と常識に基づいて話し合うという前提ですが…)
善意に解釈すれば(あるいは楽観的に考えれば)、事業者側、地元住民側双方が知恵を出し合い、その地域全体の価値を高め、その地に入ってくるであろう転入者の住環境も守れるような設計が可能になるとも言えます。
もし、文京区に「協働・協治」の理念が本当に根付き、浸透しているのであれば、事業者側と地元住民側の間にも「協働・協治」の関係が構築できるはずであり、逆に言えば、そうした「協働・協治」の精神を理解する事業者こそが文京区で開発すべきと言うこともできます。
こうした仕組みが整っていれば。隣接住戸の日照や通風、採光が削られたり、そのことによって”泣き寝入り”したりすることなく、事業者、地元区民、転入者の3者にとっての”三方よし”が実現したはずです。
そのことは結果として文京区としてもいいことであり、最終的には”四方よし”になることでしょう。
(2019年6月12日)
土地を売買する際ではなく、売買後に買主が土地利用計画(あるいは構想)をつくる段階で、地元住民との「事前協議」や「事前調整」の仕組みが整っていたなら、どうだったでしょうか?
今回の場合、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は「デザイナーズワンルームマンション」の建設地として、千石4-35-13の土地(旧マンションの土地の一部)を購入しましたから、この仕組みが有効に機能するとは言えませんが、白紙の状態から土地利用計画(構想)をつくると仮定しましょう。
事 業 者:カプセルホテルを建てようと思っています。
地元住民:それは困ります。
事 業 者:では、マンションを建てることにします。
地元住民:それならファミリー世帯向けの戸建て住宅にしてください。
事 業 者:戸建て住宅は難しいです、ワンルームマンションにします。
地元住民:せめて、ファミリー層向けのマンションにしてもらえませんか?
こうした話し合いが見込まれます。
もちろん、こうした話し合いが可能なのは事業者側が様々な土地利用計画(構想)に対応できる場合であって、それぞれの企業には”得手不得手”の分野がありますから、そう簡単でないことは確かでしょう。
それでもこうした仕組みが整っていれば、地元区民の意向を無視する形で、特定分野に狙いを定めた事業者がいきなり進出してくることは避けられ、トラブルや紛争に発展するリスクも抑えられるのではないでしょうか。
土地利用計画(あるいは構想)をつくる段階で、地元住民との「事前協議」や「事前調整」の仕組みもまた、できるだけ早い段階から、地元住民との対話を促すという試みであると言えます。(続く)
(2019年6月11日)
今回、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は、地元住民からの質問や疑問の多くに答えぬまま工事を始めたわけですが、もし、文京区に2つの条例(注1)とは別に「事前協議」や「事前調整」の仕組みが整っていたならどうだったでしょうか。
「事前協議」や「事前調整」とひとくちに言っても、いくつかありますから、大まかな分類それぞれについて考えてみます。
例えば、土地を売買する際に、地元住民との「事前協議」や「事前調整」の仕組みが整っていたなら、次のようになっていたはずです。
売 主:マンションを建て替え、一部の土地は自分で家を建て、残りは売却したい。(※「ALERO千石Ⅱ」の建設予定地にはマンションが建っていました)
地元住民:土地を売却するのは構いませんが、転売されないようにしてください。少なくとも転売をして利益を上げているような不動産業者には売却しないでください。
買 主:マンションの建て替えに伴い、一部の土地を取得しようかと思っています。
地元住民:土地を購入されるのは構いませんが、他の不動産業者への転売は困ります。地域のまちづくりの方向性や将来像に沿った開発や建物を建ててください。ホテルや旅館は困ります。マンションでも構いませんが、その場合は隣接住戸の日照や通風、採光等に配慮し、十分な離隔を取って建ててください。できれば戸建て住宅を分譲してほしいと思います。
これに加えて、売主/買主が文京区とも「事前協議」や「事前調整」する仕組みがあれば、文京区の担当課からも「都市マスタープラン」等に基づいて売主/買主双方に説明し、理解を求めることができるでしょう。
仮に、その地域(地区)で、地元区民の発意に基づくまちづくりや「地区計画」づくりの動きがあれば、それも併せて説明することで、理解不足に基づく地元住民との紛争回避につなげられます。
できるだけ早い段階から、地元住民との対話を促すことが「事前協議」や「事前調整」の仕組みのポイントと言えるでしょう。(続く)
(2019年6月10日)
「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例」となってくると、「文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」よりも規制が多く、複雑になってきます。
例えば、「当事者の責務」として、以下が定められており、条例が適用されれば、ユニ・アジアキャピタルジャパンなどには「責務」が課せられることになります。
第四条 建築主等は、紛争を未然に防止するため、中高層建築物の建築を計画し、及び建築工事等を行うに当たっては、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。
2 建築主等及び近隣関係住民は、紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神をもって、自主的に解決するよう努めなければならない。
3 開発事業者及び開発事業者と請負契約をした者は、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。
「文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」同様、「説明会」の開催が義務付けされますが、それだけではありません。
「あっせん」や「調停」の手続きも定められていますから、「中高層条例」が適用されて紛争に発展すれば、事業者側はこうした手続きを強いられる可能性もあるわけです。
こうして条例をひとつひとつ確認していくと、”条例逃れ”した方が確かに”楽”なように映りますが、果たしてそうなのでしょうか。
何のためにこうした条例があるかを考えるとき、条例があるからこそ(あるいは条例があることによって)、様々なプラス面もあるのではないかと思うわけです。
今回、ユニ・アジアキャピタルジャパンなどがどうして「中高層条例」から”逃れ”たかったのか、理由は分からずじまいになってしまいましたが、その理由を解き明かしていくことで、地元住民との対話も促され、地域全体にとってプラスになる方向になったかもしれません。
高さだけに関して言えば、「ALERO千石Ⅱ」は24mの高さにすることができるにもかかわらず、ユニ・アジアキャピタルジャパン側は条例の適用を免れる9.98mに抑えたわけです。
「中高層条例」が適用される10mを超えず、敢えて2cm低い設計にした理由にこそ、全ての”謎”を解き明かすカギがあったと言っても過言ではないでしょう。
(2019年6月7日)
ひとくちに「説明会」と言っても、条例に基づく「説明会」となると、いろいろな関連手続きも必要になってきます。
例えば、「文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」が適用されれば、区長は必要に応じて「説明会」の内容等について報告を求めることができますから、「報告を求められたら面倒だ」と事業者側が思っても不思議ではありません。
条例では「説明会」だけではなく、区との「事前協議」も定められており、あらかじめ事業計画について「区長と協議しなければならない」となっていますから、事業者側にとってこれも避けたいと思ったのかもしれません。
条例の適用を受け、住戸総数が15戸を超えれば、「住戸総数から15を減じた数の2分の1以上の戸数の住戸の専用面積を40平方メートル以上としなければならない」という規制も受けます。
「高齢者等に対する配慮」(=建築主等は、ワンルームマンション等に入居を希望する高齢者、障害者等を受け入れるよう努めるものとする)もしなければならなくなります。
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側がどうして”条例逃れ”に拘ったのか--。
その理由は極めて重要といえます。
事業者側が真摯に地元住民と向き合うなら、この”謎”を解き明かすことで、実は地元住民との交渉の余地とは幅はぐっと広がったはずだと思うのです。
少なくとも条例に則って計画を進めれば、”条例逃れ”をするようなことをしない事業者として、地元住民からそれなりの信頼感は得られたのではないでしょうか。
(2019年6月6日)
地元住民から出された数々の質問や疑問を置き去りにしたまま、「ALERO千石Ⅱ」は6月1日から工事に入りました。
「ALERO千石Ⅱ」に限ってのことなのかもしれませんが、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側の対応には不透明な部分が多く、今なお明確になっていません。
それもこれも、事業者側(特にユニ・アジアキャピタルジャパン)が無視を決め込んでいるからです。
事業者側は、これまでの「説明会」の中で、”条例逃れ”を企図していたことは認めていました。
ここで言う条例とは、「文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」と「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例」の2つです。
しかし、この2つの条例がどうして事業者側にとって都合が悪いのか、逆に言うと”条例逃れ”をするとどのようなメリットが事業者側にあるのか、地元住民は何度となく問い質しましたが、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は今なお、堅く口を閉ざしています。
ひとつだけ、その”謎”を解くヒントがあったとするなら、「説明会」の開催に関してです。
条例が適用されれば、基本的に「説明会」を開かなければなりませんが、適用外であるなら”義務”ではなくなります。
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側は「説明会」において、「実際にこうして説明会を開いており、その意味では敢えて”条例逃れ”する必要などなかったと言える」といった趣旨の発言をしていました。
事業者側にとって、義務として「説明会」を開かざるを得なくなることは避けたいという意図があったことは間違いないでしょう。
ですが、実際のところ、事業者側は「説明会」を開きました。(※ワーキンググループ方式も含めれば工事説明会を含めて4回)
そうなると「説明会」以外にも”条例逃れ”する理由(ユニ・アジアキャピタルジャパンなどにとっての利点)はあったということが推察されます。
もちろん、それが何であったのかは今なお”謎”に包まれています。
(2019年6月5日)
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側が近隣住民に配布した「工事施工について」を巡っては、別の疑問もあります。
それは「特殊車両通行許可」や「通行認定」に関する説明が一切ない点です。
というのも、これまでの「説明会」では「車両制限令」に関する質問が何度となく出て、地元住民側の求めに応じて、事業者側は車両の軌跡図まで示していたからです。
もちろん全ての工事に於いて「特殊車両通行許可」や「通行認定」が必要というわけではなく、所轄の警察署から「道路使用許可」を取っていれば、その区間だけは必要ないとのことのようです。
しかし、事業者側が配布した「工事施工について」という資料には、「道路使用許可並びに道路占用許可を得て作業を行います」と書いてあるだけで、本当に許可を得たのか、どこからどこまでの区間で許可を得たのか、全く分からないのです。
そもそも、「道路使用許可並びに道路占用許可を得て作業を行」い、その区間に於いて「特殊車両通行許可」や「通行認定」を得る必要がないのなら、事業者側がなぜ、地元住民の求めに応じて「説明会」で車両の軌跡図などを示して地元区民の理解を得ようとしていたのか不思議です。
地元住民が軌跡図を出すように求めたとしても、必要ないのであれば、法律的な説明を丁寧にした上で、「その必要はない」ことを伝えればよかったわけです。
いずれにしても、建設工事にあたって工事車両の「特殊車両通行許可」や「通行認定」が必要ないのであれば、その理由と併せて「必要ない」旨を地元住民に伝えるのが親切というものです。
地元住民の理解を得て工事を進めるとはどういうものであるかということを、ユニ・アジアキャピタルジャパンをはじめとする事業者側はしっかりと頭に入れてほしいと思います。
(2019年6月4日)
きょうから、千石4丁目において「ALERO千石Ⅱ」の建設工事が始まりました。
事前に近隣住民には「工事施工について」というA4用紙1枚が配布されましたが、それを読むと別の大いなる疑問が出てきます。
作業時間については「午前8時15分から開始し、午後6時00分修了後片付けをして完了を午後6時30分までとします」とあり、「尚、騒音・振動が伴う重機作業は午前9時から午後5時までとする」と書いてあります。
また、「資材等、搬入車両に伴い、所轄警察署の指示を仰ぎ、道路使用許可並びに道路占用許可を得て作業を行います」との記載もあります。
しかし、建設地(千石4-35-13)の前面道路に入るために通らねばなrない商店街の道路は、一方通行の「スクールゾーン」になっており、「7.30 - 9」「15 - 18」は「自転車を除く歩行者専用道路」です。
標識の下の方には「注意 車両進入禁止時間あり」との表示もあり、上記の時間帯に「スクールゾーン」を資材等の搬入車両が通る場合には、「通行禁止道路通行許可」を得る必要があるはずですが、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側の配布資料「工事施工について」には、「通行禁止道路通行許可」を得ているとの記載はありません。
「通行禁止道路通行許可」を得ていないのであれば、「『スクールゾーン』の時間帯は資材等、搬入車両は通行致しません」との一文があって然るべきですが、その記載もありません。
これでは、ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側にとって、子どもの通行や子どもらの安全、子育て世代の安心はどうでもいいことのように思われても仕方ないでしょう。
どうしてこのような杜撰でいい加減な文書を配布できるのか…。
その根本において、地元の住民と誠実かつ真摯に向き合うという姿勢が欠如しているからにほかならないと思わざるを得ません。
(2019年6月3日)
「社員を見れば会社がわかる」とか、「社員を見れば社長の人となりがわかる」とか、よく言いますが、ユニ・アジアキャピタルジャパンもその例に漏れないと思わざるを得ません。
もちろん、同社は投資会社(オルタナ投資会社)であって、いわゆるデベロッパーではありませんから、業態が違う時点で地元住民が同社に抱くイメージが違ってしまっても当然かもしれません。
ですが、業態が違おうが、地域の土地を購入し、そこに建築主としてマンションを建てようというわけですから、良識と常識を持った地元住民への向き合い方というものがあるはずです。
昨日は、「工事説明会」に出席したユニ・アジアキャピタルジャパンの社員が、黙りを決め込んで口を閉ざし続けたことを紹介しましたが、ユニ・アジアキャピタルジャパン本体もまた、「問い合わせ」フォームから何を送ろうが、社長宛てに手紙を送ろうが、無視を決め込んでいます。
http://www.uni-asia.co.jp/regulation2
同社にとって投資家は大切なステークホルダーではあっても、投資会社としては地域の地元住民など全く眼中にないのかもしれません。
「問い合わせ」フォームも、投資家のためにあるのであって、「ALERO」マンションシリーズを建てる地域の住民のために設けているのではないということなのかと思ってしまいます。
まともなデベロッパーとしての良識と常識に欠ける対応は、「ALERO千石Ⅱ」の隣接地で、簡易宿所「宿処 龍馬」をサブリース方式で建設しようとしていたスマートデイズ/イノベーターズ(両者とも既に経営破綻)と共通しているように感じます。
「ALERO千石Ⅱ」の場合、最初からユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側が、地元住民との向き合い方さえ間違えなければ、もっとスムーズに話し合いが進んだでしょう。(※”条例逃れ”の設計をしたとの発言は、第1回説明会でいきなり飛び出しました)
ユニ・アジアキャピタルジャパンが今後も「ALERO」シリーズのマンション事業を続けていくのであれば、地元住民との向き合い方を抜本的に改めない限り、同じようなトラブルは形を変えて起こるように思えてなりません。
もちろん、そのためには、会社そのもの、そしてトップから社員まで認識を変えなければならないことは言うまでもありません。
(2019年5月31日)
誰が出席して説明をし、誰が質問に答えるのか--。
これは新製品発表の記者会見でも、不祥事の謝罪会見でも同じであり、その企業が消費者やステークホルダー(利害関係者)とどのような向き合い方をしているかを測る重要な、そして第一のポイントになります。
ユニ・アジアキャピタルジャパンが進める「ALERO千石Ⅱ」(文京区千石4-35-13)も同じ視点で見ると、その”異様さ”がよく分かります。
5月9日の「工事説明会」では、ユニ・アジアキャピタルジャパンの社員も出席していましたが、2時間弱の「説明会」の間、全く発言しませんでした。
こちらが発言を求めても黙りを決め込み、「はい/いいえ」で答えられる質問に関しても地元住民側が何度も重ねて聞いた末、ようやく小さな声で「はい」と口にしただけでした。
地元の近隣住民に対する「説明会」において、事業の中核企業である社員が出席しているにもかかわらず、自ら何の説明も発言もしないというのは、誠実さと誠意に欠けると思わざるを得ません。
もちろん、ユニ・アジアキャピタルジャパンとしては「連絡先」企業に説明業務を委託しているのかもしれませんが、その「連絡先」企業がユニ・アジアキャピタルジャパンの子会社ならいざ知らず、地元住民が両者の契約内容など知る由もなく、地元住民にとっては第三者が当事者意識を欠いて説明しているとしか映りません。
ユニ・アジアキャピタルジャパンのHPを見ると、「経営方針」で「企業倫理、コンプライアンスを尊重し、社会の一員としての責任を果たします」と謳っていますが、「工事説明会」に出席した社員の頑なに口を閉ざす態度は、「社会の一員としての責任を果たし」ているとは思えませんでした。
少なくとも、地元住民を「ステークホルダー」と認識しているようには思えず、「公正・誠実に行動し、信頼の維持・向上に努め」ているようには見えず、「プロフェッショナルとしての誇りと情熱を持ち、質の高いサービスを提供」しているとも全く感じられないのです。
ユニ・アジアキャピタルジャパンが中核企業として事業を進めるのであれば、最低限、ユニ・アジアキャピタルジャパンの社員がしっかりと説明し、地元区民の質問に直接答えるのが筋ではないでしょうか。
それが良識と常識を持ち合わせた企業の地元区民との向き合い方だと思います。
(2019年5月30日)
「ALERO千石Ⅱ」(文京区千石4-35-13)に限ってのことかどうか分かりませんが、ユニ・アジアキャピタルジャパンをはじめとする事業者側の地元住民に対する向き合い方には疑問を抱かざるを得ません。
そのひとつは5月9日に開催した「工事説明会」の場での発言です。
地元区民側が、あたかも工事を強行しようとしているかのような姿勢に関し質したところ、事業者側の「連絡先」企業とされる社員が「住民側が文京区に対し、建築確認を下ろさないようにしてほしいと求めていることから、(事業者側としても)疑心暗鬼になったものである」といった発言をしました。
そもそもなぜ、「工事説明会」の案内通知の記載において「連絡先」でしかない企業の担当者が、あたかも事業者側を代表するかのように地元住民に対して説明するのか疑問ですし、ユニ・アジアキャピタルジャパンの社員が出席されているにも拘わらず、どうして社員が回答しようとしないのか理解に苦しみます。
さらに、ユニ・アジアキャピタルジャパンは法人であり、一方、地元住民は個人であって、都市計画法や建築基準法、不動産取引等の知識に精通していないわけですから、どこからどう見ても事業者側の方が優位な立場にあるわけです。
「工事説明会」で「連絡先」企業の社員は、あたかも事業者側と地元区民が「対等の関係」であるかのような前提のもと、地元住民の言動に問題があったから工事を強行しようとした事業者側の姿勢を”正当化”しようとしており、こうした発言自体、地元住民に真摯に向き合う姿勢の欠如と思わざるを得ません。
事業者側に比べれば立場の弱い地元住民が、文京区に要望や要請をするのは、常識的な当然の行動であって、そうした地元住民の行動を根拠らしき事情として工事を強行しようとすることを”正当化”するかのような発言が、地元住民との信頼関係を尊重しているように映らないのは当然です。
「連絡先」企業の社員が、地元区民と文京区のやり取りを正確に把握した上で発言したのならまだしも、邪推や臆測に基づくものとしか思えず、なぜなら私たち地元区民は文京区に対し、「建築計画に何らかの疑義が生じる限りに於いて、安易に建築確認を下ろさないでほしい」と要望したに過ぎなかったからです。
それを、「連絡先」企業の社員は、私たち地元住民が「住民エゴ」に基づいて文京区に圧力をかけたかのようなニュアンスを含んで発言したとしか思えず、それに対して「工事説明会」に出席していたユニ・アジアキャピタルジャパンの社員も唯々諾々と従っていたことに極めて強い疑問と不信感を抱きました。
地元住民と真摯に、かつ誠実に、そして誠心誠意を持って向き合うことでしか、地元住民との信頼が醸成されないことは言うまでもありません。
(2019年5月29日)
昨日(5月27日)、「ALERO千石Ⅱ」に関する「新築工事のお知らせ」と題する通知がポストに入っていました。
6月1日から工事を始めるとのことです。
しかし、このコラムでも取り上げたように、様々な疑問があり、ユニ・アジアキャピタルジャパンに問い合わせましたが、梨の礫…。
確かに、「説明会」等は開催されましたが、いずれも地元区民の疑問に真摯に答えるというよりも、単なる”ガス抜き”のために行ったかのようでもあります。
地元区民からの疑問や要望に何一つ漏らさず誠実に回答していってこそ、信頼関係が醸成されると思うのですが、ユニ・アジアキャピタルジャパンら事業者側にそのような姿勢は見られませんでした。(※少なくともわたしの目にはそう映りました)
建設予定地は「近隣商業地域」で、「第3種高度地区」ということもあり、高さ24mまで建てようと思えば建てられるにもかかわらず、事業者側は文京区の「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例」から”逃れる”ため、高さを9.98mにとどめ、その代わりに敷地面積いっぱいに建物を建てようとしています。
地元区民側は、隣接住戸への日照の確保や圧迫感を緩和するなどの観点から、建物の高さを上げて、その換わりもっと「隔離」を取れないかを求めてきましたが、事業者側は合理的根拠や明確な裏付けを示さず、地元区民の「疑問」に今なお、納得するような回答をしていません。
設計や間取りなどをどう変更すると、どれくらい投資利回り等への影響があるのかについても、地元区民側は試算を示すよう求めてきましたが、「出せない」(あるいは「出さない」)の一点張り。
最後は、「裁判を起こしたいなら起こせばいい……」とでも言うかのような態度であり、地元区民に対し「説明責任」を果たし、地元区民の納得を得る努力とはおよそ程遠い姿勢と言わざるを得ませんでした。
地元区民の「疑問」を置き去りにしたまま強引に着工することが、良識と常識ある事業者のすることとは到底、思えません。
(2019年5月28日)
「一部の部屋は日中も冬場は日がほとんど当たらなくなった」「洗濯物が干しにくくなり不便。資産価値も下がる」--。
5月24日、西日本新聞1面に「隣に高層マンション計画…建設止められる? 眺望、日照トラブル増」という記事が載りました。
福岡市内でマンション建設が増え、それに伴って建築紛争も相次いでいるという内容でした。
記事に登場するのは5階建てマンションの住民。隣に9階建てのマンションが建ってしまい、日照権が侵害されたと嘆いています。
千石4丁目でも、規模や状況は違えど同じ問題が起きています。
ユニ・アジアキャピタルジャパンが計画している「ALERO千石Ⅱ」--。
地下1階/地上4階建ての「デザイナーズワンルームマンション」になるようですが、敷地いっぱいに建物を建てるため、北隣にある2階建ての家の日照が大きな影響を受けることになります。
「冬場は日がほとんど当たらない」「2階のベランダに洗濯物が干しにくくなり不便」「資産価値も下がる」という”訴え”は西日本新聞に登場するケースと全く同じです。
地元住民側は、「ワンルームマンション」建設そのものに反対しているわけではありません。
事業者に撤退を求めているわけでもありません。
北側隣接地にある2階建ての家の日照をもう少し確保するため、北側あるいは西側の隔離をもう少し取るよう求めているだけなのです。
それでも、ユニ・アジアキャピタルジャパン側は「設計変更には応じられない」の一点張り。
これではトラブルが解決するはずもありません。
(2019年5月27日)
ユニ・アジアキャピタルジャパンのHPの「ALERO」のページを開くと、「Sengoku Ⅱ」の表示が「予定」から「建築中」に変わっていました。
いつ表示が「建築中」に変更になったかは定かではありませんが、5月9日に「工事説明会」を開催しましたから、その後かもしれません。
しかし、設計を巡ってユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側と地元近隣住民側の話し合いは続いており、最終的な合意には至っていません。
なぜなら、つい昨日(16日)にも、事業者側が地元近隣住民側の家を個別訪問し、屋根の形状について変更案を伝えてきたからです。
ユニ・アジアキャピタルジャパンなど事業者側と地元近隣住民側は、まだ正式な「工事協定書」も交わしていないのです。
もちろん土地は更地のままとなっており、「建築中」という表示は、まさに地元の近隣住民側の意向を無視して「建築中」であることを”既成事実化”しようとしているとしか思えません。
それにしても、どうしてユニ・アジアキャピタルジャパンという会社は、地元の近隣住民との信頼関係を築こうとする努力をしないのでしょうか。
信頼関係を築こうとする努力をしないどころか、地元の近隣住民に不信感や不審感を植え付け、近隣住民の神経を逆撫でするようなことをするのでしょう。
「建築中」はまさに建築しているのであって、「建築」に入っていないにもかかわらず、「建築中」と表示するのは虚偽であり、コンプライアンス上も問題ですが、この会社にはどうでもいいことなのかもしれません。
少なくとも、こうした”虚偽表示”をする以上、ユニ・アジアキャピタルジャパンという会社は信用できないと言わざるを得ません。
(2019年5月17日)
そもそも、不動産投資ファンド会社と大手デベロッパーは全く違うという意見があることは承知しています。
しかし、企業形態や事業目的がどう異なろうと、地域住民にとってその土地に「ワンルームマンション」が建つという事実に変わりはありません。
千石4-35ー13に「ALERO千石Ⅱ」を建設しようとするユニ・アジアキャピタルジャパンの戸田幸浩代表取締役社長は自社のHPの「ご挨拶」で、次のように述べています。
「弊社は、UNI-ASIAの不動産投資部門を母体として1998年9月に設立され、以来今日まで、日本国内のホテル・住宅及びオフィスを対象とした不動産投資ファンドの組成から、エクイティ、ノンリコースローンのアレンジメントならびにファンドの管理運営など一連のアセットマネジメント業務を手掛け、着実な実績を積み重ねてまいりました。これまでの豊富な投資実績に基づく、質の高い、誠実なサービスを提供し、投資家の皆様から一層の信頼を頂けるよう、全社一丸となり努力してまいります。なにとぞご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます」--。
この「ご挨拶」からは、戸田社長の目には同社の顧客となる「投資家」しか映っていないであろうことが窺えます。
経営理念・経営方針を見ても、そこに「まちづくり」や「地域社会」という言葉は出て来ないことも、そう思わざるを得ない根拠のひとつです。
戸田社長がHPでこう「挨拶」し、経営理念・経営方針もそうなっているわけですから、同社で働く社員全員が同じ考えでも無理はないでしょう。
これに対して、例えば三井不動産では「街づくり」が強く意識され、長期経営方針「VISION 2025」では、「街づくりを一層進化させ、“持続可能な社会”と“継続的な利益成長”の実現を目指します」と謳っています。
こうした傾向は他の大手デベロッパーも同様です。
住友不動産の「行動指針」は、次のようになっており、
「6 . ステークホルダーとの信頼関係持続 お客様、株主・投資家、取引先、地域社会、行政、従業員との信頼関係の持続が不可欠です」--。
「地域社会」との「信頼関係の持続が不可欠」と記しています。
野村不動産の「基本使命」には、こんなことが書いてあります。
「私たちは、人、街が大切にしているものを活かし 未来あしたにつながる街づくりとともに 豊かな時を人びとと共に育み 社会に向けて、新たな価値を創造し続けます」
「私たち野村不動産グループが、事業やサービスを通じて「安心・安全で快適な街をつくり、そこに住まい、集う人々のくらしや時を豊かにすることで、よりよい“あした”を創り出していく」という、お客様や社会に対しての約束です」--。
こうして比べてみれば明らかなように、不動産投資ファンドの”頭”で、不動産投資ファンドの”目”で、不動産投資ファンドの”考え”で、近隣住民との話し合いに望む限り、そもそもの経営理念や経営方針の中で「まちづくり」や「地域社会」の概念を含めている大手デベロッパーと比べ、まとまる話もまとまらなくても当然かもしれません。
※大手デベロッパーだから「建築紛争」が起きないとか、地元住民との交渉が円滑に進むと言っているわけではありません。
事業者側に「まちづくり」や「地域社会」への貢献という認識が少しでもあれば、交渉の過程で事業者側がその”原点”に立ち戻ることは可能であり、少なくとも交渉を継続する契機になり得ても、そうした認識が全くなければ事業者側が立ち戻る”原点”はなく、いつでも工事を強行するだろうし、工事を強行することに何の躊躇も感じないだろうということです。
(2019年5月9日)
みんなでみんなのまちづくりの代表として、5月6日、同社の問い合わせフォームにて、下記の疑問・要望を投稿致しましたので、お知らせ致します。
※同社のHPには次のように記載があります。
1.業務全般に関するご相談・苦情等について
当社の業務に関するご相談又は苦情等についての当社の受付窓口は、以下のとおりになります。
ユニ・アジア キャピタル ジャパン株式会社 管理室
【E-MAIL】 soudan@uni-asia.co.jp
◆以下、疑問・要望内容◆
私は、御社に於いて建設計画を進めておられます「ALERO千石Ⅱ」(文京区千石4ー35ー13、以下、本計画といいます。)の近隣住民のひとりであり、文京区において住環境を守るための政治団体「みんなでみんなでまちづくり」の代表を務めているものです。
御社はこれまでに本計画に関し、2回の「説明会」を開催していますが、現計画では近隣住民に於いて日照や通風などの環境権の侵害が見込まれるにもかかわらず、計画を強行しようとしているように見受けられます。
なぜなら、2回の説明会を受け、近隣区民側は、できるだけ近隣住民に対する環境権の侵害につながらない設計に変更するよう求めてきましたが、御社は4月下旬、近隣区民側への計画説明並びに設計変更に関する話し合いを一方的に打ち切り、いきなり5月9日に「建築計画の工事説明会」に切り替えて実施するとの通知をしてきたからです。
良識と常識ある企業であれば、近隣住民と話し合いを始めた以上、計画並びに設計について合意に達した上で「工事説明会」に入ると思いますし、計画並びに設計の話し合いを打ち切るにしても、近隣住民に対しては合理的根拠を示した上で、納得を得る努力を重ねることが良識と常識ある企業の事業の進め方ではないでしょうか。
御社の「経営理念」には、「私達は、たゆまぬ挑戦により、新しい価値を創造し、社会に貢献します」と書いてありますが、少なくとも「ALERO千石Ⅱ」の近隣住民は、本計画が地域にとってどのような「新しい価値」の「創造」につながり、「社会に貢献」することになるのか、説明を受けておりません。また一般的な社会通念上の常識に基づかない、一方的な計画の説明打ち切りと、「工事説明会」の実施は、御社の経営方針である「社会の一員としての責任を果た」すことにはなっていないと思わざるを得ません。
御社は経営方針に於いて、「すべてのステークホルダーに対して公正・誠実に行動し、信頼の維持・向上に努めます」と打ち出していますが、本計画に関する限り、近隣住民は御社にとっての「すべてのステークホルダー」からは排除されているとしか思えませんし、仮に本計画地の近隣住民も「すべてのステークホルダー」に含まれているのであれば、「公正・誠実に行動し、信頼の維持・向上に努め」てほしいと思います。
経営方針では、「プロフェッショナルとしての誇りと情熱を持ち、質の高いサービスを提供します」とも謳っているわけですから、これが噓偽りのない真実であるなら、近隣住民との話し合いにおいても、「プロフェッショナルとしての誇りと情熱を持ち」、「質の高い」話し合いを誠意を持って粘り強く重ねて頂くことを強く希望致します。2回の「説明会」でもお伝えしましたが、本計画地は、地元区民の発意に基づく「地区計画」の対象地域に含まれており、そのことは御社がこの土地を購入する時点で把握していたはずですし、土地の仕入れに当たっては把握しておかねばならない重要事項だったはずです。
住環境を守るための「地区計画」づくりが進んでいる地域の真ん中の土地を敢えて購入して地権者となった以上、地域社会におけるその責務も自覚して事業に取り組んで頂きたいと存じます。なお、これに関連して私どもでは、文京区長に対し「請願書」を提出させて頂いているほか、文京区長に対する「公開質問状」を、文京区の「区民の声」を通じて投稿させて頂いております。
同社より回答があれば、みなさまにもお知らせしたいと思っています。
(2019年5月8日)
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