「文京区基本構想」は議会の審議を経て議決されたものです。
この「基本構想」の「分野別の将来像」の4番目に「まちづくり・環境」というテーマがあり、「住環境」の項目には以下のように書いてあります。(下記画像参照)
(1)分野ごとの将来像
~10年後にあるべき姿~だれもが住み続けたい・住みたくなる快適で魅力的なまち~
「地域の特性を活かしたまち並みの保全・創出や、身近な場所で自然に親しむことのできるまちづくりなどを通じ、だれもが住み続けたい、住みたいと思える快適な環境が整った、潤いと魅力にあふれたまちを目指します」
(2)実現に向けた基本的取組
①「文の京」らしいまちの魅力を高めるため、それぞれの地域の特性を活かした地域主体のまちづくりを進めます。
②それぞれの地域にふさわしい良好な景観を保全・創出するため、周辺環境との調和を考慮した色彩や建築物の高さの適切な誘導などにより、景観まちづくりを進めます。
さて、どうして「基本構想」を取り上げたかというと、小日向2丁目の「巨大ワンルームマンション」建設計画が、この「基本構想」に沿ったものであるかどうかを問うためです。
わたしには、この「巨大ワンルームマンション」建設計画が、「『文の京』らしいまちの魅力を高める」とは思えません。
わたしには、このこの「巨大ワンルームマンション」建設計画が、小日向という「地域の特性を活かした地域主体のまちづくりを進め」ることにつながらないばかりか、毀損しかねないと憂慮します。
わたしには、この「巨大ワンルームマンション」建設計画が、「それぞれの地域にふさわしい良好な景観を保全・創出するため、周辺環境との調和を考慮した色彩や建築物の高さの適切な誘導などにより、景観まちづくりを進め」た結果とは思えません。
もし、文京区が本当に「基本構想」の「実現に向けた基本的取組」をするのであれば、計画を変更するか、事業から撤退するように指導すべきでしょう。
文京区が指導力を発揮しないのであれば、区議会(区議)は、文京区が指導力を発揮するよう働きかけを強めるべきではないでしょうか。
「文京区基本構想」に沿わないようなプロジェクトを黙認していくと、文京区のまちづくりは崩壊し、そのしわ寄せは全て、文京区を長年にわたり愛し、住み続けた地元区民が被ることになってしまいます。(続く)
(2019年4月26日)
昨夜、小日向2丁目の「巨大ワンルームマンション」建設計画(4階建て/総戸数66戸)に対する「建設反対説明会」(主催:小日向の環境を守る会)に参加させて頂きました。
わたしも計画自体はかねて知っていましたが、実際に現地を訪れていませんでした。
今回、文京区議会議員選挙があったこともあり、現地及び小日向1~2丁目を徒歩や車で何度か回りましたが、現地を知ると、今回の計画が「本当に小日向という由緒ある土地柄に相応しくない」だけではなく、小日向の「住環境」「子育て環境」「生活環境」を壊す(=危険にさらす)計画であることを実感しました。
利益最優先の計画自体もさることながら、地元区民のみなさんが大きな疑問を抱いていらっしゃったのが、「文京区都市マスタープラン2011」で記載されている、小日向2丁目のまちづくりの位置付けや方向性、将来像との”乖離”(あるいは”矛盾”)です。
説明会で配布された資料によると、
【小日向2丁目の土地利用方針】住居系/低層住宅市街地
○戸建て住宅を中心とする閑静で良好な住宅地が形成されている地区を、低層住宅市街地として位置付けます
○低層住宅市街地は、宅地内の緑の保全と育成、オープンスペースの緑化などにより、現在の良好な住環境を保全します
となっており、今回の「巨大ワンルームマンション」は明らかに「都市マスタープラン」で打ち出された方向性と異なっています。
【建築物の高さに関する方針】
低層市街地
○主として3階以下の低層建築物が広がる市街地
○土地利用方針において低層住宅市街地は、閑静で良好な住環境を保全していく必要があるため、低層市街地とします
ここで重要なのは、小日向2丁目が単なる「低層市街地」ではないという認識ではないかと、わたしは考えます。
小日向は、文京区を代表する由緒ある土地柄であり、よほどの合理的根拠が見いだせない限り例外を認めず、「都市マスタープラン」に忠実に基づいてまちづくりを進める必要があるでしょう。
小日向2丁目の建設計画地が「新渡戸稲造旧居跡」であり、文京区を代表する由緒ある土地柄であることに鑑みれば、文京区においても強力に指導していく責務があるのではないでしょうか。
【将来の姿】
○小日向一・二丁目、音羽一丁目には閑静で良好な低層住宅市街地が広がり、教育の森公園や護国寺などまとまった緑が市街地に潤いを与えているまち
【地区のまちづくり】
○小日向一・二丁目は、江戸時代の街割りを継承する、閑静な低層住宅市街地として住環境を保全します
と書いてあり、今回の計画はその規模(総戸数66戸)から言っても、「閑静で良好な低層住宅市街地」の形成に寄与するとは思われず、「閑静な低層住宅市街地として住環境を保全」することにつながるとは思えません。
わたしは、今回の問題は単にどこにでもある「マンション建設反対運動」ではなく、文京区が大切に育んできた由緒ある地域の住環境を壊しかねない重大事であるとして、全文京区民が関心を持ってほしいと強く思いました。(続く)
(2019年4月24日)
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