文京区議会への「請願書」

まちづくりに関する文京区民からの「請願書」をご紹介します。


【令和元年6月議会】

建築紛争の予防と調整に関する請願

※小石川2丁目の区民の方外8人の方が提出された請願です。(令和元年6月5日 第5号)

【請願理由】
 文京区の中高層建築物に関する紛争予防条例に基づくあっせん・調停においては、すでに事業者は計画を確定しており、地元区民の要望を検討したとしても受け入れる余地がなく、紛争に発展したり、一部住民や自治体が事業者と非公開を前提に不透明な取引をすることにより地域コミュニティ内での“不協和音”を誘発したりするケースが少なくありません。結果として、関係者の誰もが不利益を被る事態となり、魅力溢れるまちづくりが困難になるばかりか、区全体の発展にも悪影響を及ぼすと懸念せざるを得ません。
 文京区がうたう「協働・協治」の精神に則って、地元地域の事情や特性に配慮、合致したまちづくりを円滑に進めるためには、現在の文京区の条例・要綱で必ずしも完璧かつ完全とあるとは言い切れないと思います。全国各地の自治体の成功事例も増え、文京区の担当部課においてもそれらを詳細に調査・研究してきていることと思いますので、これらの長短を考慮しつつ、文京区にふさわしく、かつ文京区に住むことを誇りに思えるような制度や仕組みづくりに向けて改善の余地があるかどうか調査・研究し、必要性に応じて改善の検討をすることは極めて重要と考えます。
 そこで、下記のとおり、請願いたします。

 

【請願事項】
1 「協働・協治」の精神に則り、文京区をだれもが住みたくなる調和のとれたまちにするために、よりよいま ちづくりのための新しい制度や仕組みのあり方を話し合える何らかの場を設けることを、全国の他の自治体の先行事例との比較調査・研究を踏まえ、検討するよう文京区長に要請してください。よりよいまちづくりのための新しい制度や仕組みについては、より具体的には以下のものが考えられます。
 ① 一定規模以上(具体的な規模の調査・研究、検討対象とする)の土地を売却する際には、区への届け出により、土地利用の大枠を土地売却主と区が事前に調整することで、文京区の実情や発展にそぐわない開発を強引に進めるような事業者に売却されないようにする仕組み

 ② 一定規模以上(同)の土地を取得した際には、区への届け出により、土地利用の大枠を土地取得事業者と区が事前に調整することで、文京区の実情や発展にそぐわない開発構想を立案することがないようにする仕組み

 ③ 一定規模以上(同)の土地を取得した際には、区への届け出により、土地利用構想が固まった段階で、文京区基本構想や文京区都市マスタープラン、「文の京」住宅マスタープラン等との整合性が取れているかどうか、開発事業者と区が事前に調整する仕組み
 ④ 開発事業及び建築計画(延べ面積1万平方メートル以上の計画を含めるかどうかも含め調査・研究、検討対象とする)について、専門家を交えつつ、区と区民と事業者が事前に調整する場を設ける制度や仕組み(保育所等の公共施設の設置を阻害しないもの)
 ⑤ 上記①~④に関連し、事前に調整する場を設ける制度や仕組みにおいて、議事録公開といった透明性のある手続き

 ⑥ 上記④と⑤に関連し、事前に調整する場を設ける制度や仕組みにおいて、自治体を事務局とすること

http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0180/1045/20190607_giun_seigan.pdf

 

ワンルームマンション条例の見直しに関する請願

※小石川2丁目の区民の方外8人の方が提出された請願です。(令和元年6月5日 第6号)

【請願理由】

 文京区には、ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例・同条例施行規則がありますが、地域によっては、事業者の開発計画が同条例に基づいたものであっても、文京区基本構想や文京区都市マスタープラン、「文の京」住宅マスタープラン等の方針や方向性と矛盾や齟齬を来すケースが出ています。例えば、小日向2丁目のワンルームマンション建設計画地は、都市マスタープラン上、低層住宅市街地に位置付けられ、「戸建住宅を中心とする閑静で良好な住宅地が形成されている地区」であるとともに、「宅地内の緑の保全と育成、オープンスペースの緑化などにより、現在の良好な住環境を保全します」と明記し、「良好な住環境の保全」を目指し、「今後もこの良好な住環境を保全することが必要」としたうえで、「閑静で良好な低層住宅市街地が広がり、教育の森公園や護国寺などまとまった緑が市街地に潤いを与えているまち」を将来の姿として描いています。つまり、実際問題として、文京区のワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例並びに中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例に則ったものであるとしても、「マスタープラン」におけるまちづくりの方針や方向性に沿うものであると必ずしもいえないと思われるケースが出てきているのです。

 現在の文京区ワンルームマンション条例は都市マスタープランと整合性が取れない面もあると言わざるを得ず、特に区内の「第一種低層住宅専用地域」の住環境を守る観点からは条例の規定内容が必ずしも十分であるとはいえないと思います。そこで、「ワンルームマンション条例」を見直すよう区に働きかけて頂きたく、下記のとおり請願いたします。

 

【請願事項】
1  文京区基本構想や文京区都市マスタープラン、「文の京」住宅マスタープラン等と、文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例において、相互に合理的な矛盾を差し挟む余地がない整合性の取れた内容になっているかどうか、条例の内容をひとつひとつ再確認し、必要に応じて見直しを検討するよう文京区長に要請してください。
2  第一種低層住居専用地域においては、現行の文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例における規制を強化すべく見直しを検討するよう文京区長に要請してください。特に第一種低層住居専用地域においては、ア)階数が3をこえるワンルームマンションは建設できない、イ)ファミリー世帯層向けの戸数の比率を現状より増やす―などの見直しを検討するよう文京区長に要請してください。
3  文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例において、建築主と隣接関係住民・周辺関係住民があらかじめ事業計画について事前に協議できるように見直すことを検討するよう文京区長に要請してください。
4  文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例において、建築主に対しては土地取得後、構想を固めた段階で説明会の開催等をすべく見直しを検討するよう文京区長に要請してください。
5  区と建築主との「事前協議」においては、事業計画だけでなく、工事計画も含め、工事車両の通行についても綿密に協議する内容に見直しを検討するよう文京区長に要請してください。

http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0180/1045/20190607_giun_seigan.pdf

 

「みどりの保護条例」「緑の基本計画」の抜本的見直しについての請願

※小石川2丁目の区民の方外8人の方が提出された請願です。(令和元年6月5日 第7号)

【請願理由】
 文京区は、自然やみどり豊かで閑静な住宅地の多いことが、区の価値とブランド力を高める源泉のひとつとなっていますが、最近は全体的な傾向としてみどりが減少しているといわざるを得ません。文京区では、公園等の施設緑地だけでなく、公共施設や民有地を含めた総合的なみどりの保全と創出を行うと同時に、各々のみどりのあり方を示す「文京区緑の基本計画」(平成11 年3月)を策定し、緑地の保全と緑化の目標を定めるとともに、それを実現するために取り組む六つの方針と施策を展開する一方、「文京区みどりの保護条例」に基づき、一定規模以上の建築計画等を行う建築主に対し、緑化する面積の基準と植栽する樹木本数の基準を満たす「緑化計画書」の提出を求めています。しかし、区内のみどりの減少に歯止めがかかっていないという思いは、文京区民に共通の認識であると思います。
 また、文京区が東京都の都心部に位置する「文教の府」であり、「文の京」であることからも、「文京区みどりの保護条例」と「文京区緑の基本計画」は、東京都が定める「東京における自然の保護と回復に関する条例」(略称「東京都自然保護条例」)に沿い、かつ資する内容であることが求められていると考えます。実際、東京都内の区市では、「東京都自然保護条例」よりも厳しい内容の条例等を定め、みどりの保護に取り組んでいる先行事例もあります。
 そこで、下記のとおり、請願いたします。

 

【請願事項】
1  文京区の「文京区みどりの保護条例」においても、「接道部の緑化」に関する(単なるガイドラインではない)規定を設けることの是非を調査・研究し、必要性が認められれば盛り込むよう文京区長に要請してください。※接道部とは、敷地のうち道路(公道、私道の別を問わず、通常一般の通行に供される道、通路等)に接する部分をいいます。
2  東京都のホームページによれば、文京区は現状、緑化計画書の届出手続を一元化している13 区1市に含まれていません。そこで文京区においても必要な条例・要綱等を整えた上で、東京都の「自然保護条例」第14 条に基づく、「緑化計画書」の届出手続を一元化するよう文京区長に要請してください。
3  上記2と関連しますが、「緑化計画書」の届出義務を「文京区みどりの保護条例」内において規定するとともに、都市緑地法に基づく委任条例として定める基準を満たした緑化計画が提出されなければ建築確認が下りないような制度にするよう文京区長に要請してください。
4  23 区では、世田谷区が敷地面積150 ㎡以上の建築物の新築又は増築を行う場合について区独自の「緑化基準」を定め、届出を義務付ける一方、敷地面積150 ㎡未満についても独自の「緑化の誘導基準」を定めています。こうした先行事例を調査・研究した上で、文京区においてその必要性が認められれば、敷地面積が小さい土地の建築物についても「緑化計画書」の届出義務を課する仕組みにするよう文京区長に要請してください。

http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0180/1045/20190607_giun_seigan.pdf