請願理由
文京区千石4-35-13においては、ユニ・アジアグループのユニ・アジアキャピタルジャパン(東京都千代田区神田美土代町9-1 MD神田ビ7F)がワンルームマンション「ALERO千石Ⅱ」(15戸)の建設計画を進めています。
同社をはじめとする事業者側は、これまでに2回の「説明会」を開催しましたが、現計画では近隣区民に於いて日照や通風などの環境権の侵害が見込まれるにもかかわらず、同社などは計画を推し進めようとしています。
2回の説明会を受け、地元区民側はできるだけ近隣区民に対する環境権の侵害につながらない設計に変更するよう求めてきましたが、同社など事業者側は4月下旬、地元区民側への計画説明並びに設計変更に関する話し合いを一方的に打ち切り、いきなり5月9日に「建築計画の工事説明会」に切り替えて実施するとの通知をしてきました。
文京区は「文京区基本構想」に於いて、「地域の特性を活かしたまち並みの保全・創出や、身近な場所で自然に親しむことのできるまちづくりなどを通じ、だれもが住み続けたい、住みたいと思える快適な環境が整った、潤いと魅力にあふれたまちを目指します」と謳っているにも拘わらず、「ALERO千石Ⅱ」(15戸)の建設計画は、近隣区民の日照や通風などの環境権の侵害につながりかねず、これでは「だれもが住み続けたい、住みたいと思える快適な環境が整った、潤いと魅力にあふれたまち」づくりが毀損されることは論を待ちません。
近隣区民は、同社をはじめとする事業者側に対し、事業の白紙撤回や撤退を求めているわけではなく、採算割れの赤字事業にしてまで設計変更を求めるものではなく、「文京区基本構想」や「文京区都市マスタープラン2011」で打ち出した方向性や将来像に沿う形での設計変更を求めているに過ぎず、そうであるにも拘わらず、設計変更に関する話し合いを一方的に打ち切る形で、突如「工事説明会」に切り替えることは文京区民に対する誠実さは微塵も見られず、誠意を欠くとしか映りませんし、それをまた、どうして文京区都市計画部が認容(あるいは黙認)するのか、文京区民として全く理解に苦しみます。
確かに本計画は、「文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」並びに「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例」の適用外ではありますが、同社など事業者側は第1回説明会に於いて、「条例逃れ」のための設計である旨を堂々と認めており、そうである以上、実態的にはこれらの条例を準用することが求められ、文京区としては少なくとも近隣区民に於いて、日照や通風などの環境権の侵害が見込まれない(あるいは最小限に抑える)ように誘導(あるいは指導)する義務があると考えます。そこで下記のとおり、請願致します。
請願事項
1 文京区として、事業者側の計画説明並びに設計変更に関する話し合いの一方的な打ち切りと、「工事説明会」への切り替えを認容(あるいは黙認)せず、事業者側が近隣区民と誠意をもって誠実に話し合いを続けるよう誘導(あるいは協力要請)してください。
2 上記の話し合いに於いては、事業者として、近隣区民のみならず、文京区としても納得できるような合理的根拠を示して説明を尽くすように促してください。
3 事業者側が第1回説明会で堂々と公言したように、本計画がいわば「条例逃れ」を念頭に置いて設計していることに鑑み、文京区として「文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」並びに「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例」を準用するような形で事業者側を指導してください。
4 文京区に於いては、計画規模の大小にかかわらず、「文京区基本構想」や「文京区都市マスタープラン2011」で打ち出した方向性や将来像に沿って、近隣区民の住環境並びに環境権が守られるように適切に事業者を誘導(あるいは指導)してください。
(2019年5月7日)
請願理由
文京区には、「文京区基本構想」や「文京区都市マスタープラン2011」はありますが、文京区への実質的な転入増などを背景とした人口増加を踏まえた総合的なまちづくり誘導方針(あるいは誘導策)がありません。
文京区においてはこれから数年、人口は増え続けると予測されていますが、人口増に対応したまちづくりの明確なコンセプトがなく、防災・減災対応も後手に回り、人口増を先取りした詳細な対策が隅々まで講じられているとは言い難く、これでは持続可能な文京区のまちづくりは取り返しのつかない事態を招いてしまうのではないかと危機感を覚えます。
ここ数年の文京区のまちづくりの状況を俯瞰すると、あたかも大型開発や高層マンション開発を通じて人口増を図り、税収増につなげていくという姿が見て取れます。
しかし、文京区は都心3区と異なり、歴史的施設や大学、公園などが多く、みどり豊かで閑静な住宅街が広がっており、こうした良好な住環境が「だれもが住みたいまち」「住み続けたいと思うまち」であるための大切な前提ともなっています。
文京区の価値や魅力の向上は、マンション開発を通じて単に区民を増やすことを通じてではなく、他区と開発や税収増を競い合うことを通じてでもなく、良好な住環境、生活環境、子育て環境を通じて、文京区民の満足度や幸福度、快適度などを上げていくことを通じて実現すると考えます。
そのためには、様々な角度から文京区民にとっての良好な住環境の条件を探り、その実現のためのまちづくりの誘導策を策定する必要があります。
まちづくりの担い手となる区民の自発的な機運を高めると共に、そうした区民と手を携えて、文京区の真の価値と魅力、地域の価値と魅力を高める優良な開発事業者の進出や算入を促すことも大切になります。
それは、経営理念や業歴、コンプライアンス・ガバナンス体制のしっかりした開発事業者を誘致することであって、目先の自社の最大利益を追求する企業を誘致することとは全く異なります。
たとえ、中小・ベンチャーの都市開発事業者、マンション開発業者であっても、近隣住民の住環境を考えた上で土地利用計画を立て、その地域特性に合った建築物を建てる重要性を認識してもらうことが大切であり、そうした企業が数多く文京区に進出してくることで、文京区の良好な住環境が維持され、向上していくという好循環を生み、そうした良好な住環境が維持・向上されていく文京区にしていくことで、住みたいと思う人、住み続けたいと思う区民も増えていくのではないでしょうか。
そこで、「文京区基本構想」や「文京区都市マスタープラン」とは別に、新たな総合的なまちづくり誘導方針(あるいは誘導策)を策定して頂きたく、下記のとおり請願致します。
請願事項
1 当面何年かの人口増加を前提に、予測される人口増加のもとにあっても、区民の住環境、生活環境、子育て環境等が守られるための区としてのまちづくり誘導方針(あるいは誘導策)を策定してください。
2 住環境、生活環境、子育て環境等が、単に外形的な数や量の上で維持・向上されるだけでなく、区民の満足度や幸福度といった精神的な価値や魅力が向上されるようなまちづくり誘導方針(あるいは誘導策)を策定してください。
3 長期的に人口が減少傾向に転じた場合でも、良好な住環境、生活環境、子育て環境等が維持されるだけでなく、その価値や魅力が向上し、それらを通じて文京区としての持続可能なまちづくりが実現するような誘導方針(あるいは誘導策)を策定してください。
4 上記のまちづくり誘導方針(あるいは誘導策)の策定に当たっては、文京区としてのまちづくりの基本理念を明確化するとともに、開発事業者としての責務を定め、文京区のまちづくりに貢献・寄与する事業者像を明確に打ち出すことを通じ、事業者において文京区が期待する開発事業者のイメージが容易に理解できるようにしてください。
(2019年4月19日)
請願理由
文京区における「まちづくり」に関する条例や要綱を巡っては、都市計画部住環境課長が文京区議会の建設委員会において、「本区のいわゆるまちづくりに関する条例、要綱は、個別の目的ごとに制定している」(2018年06月19日)、「本区の条例、要綱は、それぞれ目的に沿って個別に制定している」(2018年09月21日)のであり、「文京区といたしましては、紛争予防条例、それから建築物の指導要綱等、そういったまちづくりに関する要綱、条例を総合的に使いまして指導しているところです」(2018年06月19日)と答弁しています。
しかし、小日向2丁目では、「巨大ワンルームマンション」(地上4階建て、総戸数66戸)の建設計画が持ち上がり、千石4丁目では「デザイナーズワンルームマンション」の建設計画が明らかになり、地元区民の間では大きな反対運動が起きています。
住環境課長の答弁が事実に基づき真実であるなら、文京区は「まちづくりに関する要綱、条例を総合的に使い」、建築主(あるいは事業者)に対して、適切に「指導している」はずであり、その「指導」が真に適切なものであるなら、地元区民の間で反対運動が起こることなどあり得ませんし、区民の間から新たな条例や要綱をつくるべきであるとの要望が出されるはずもありません。
それにもかかわらず、住環境課長は、2018年06月19日の文京区議会の建設委員会において、「まちづくりに関する要綱、条例を総合的に使いまして指導しているところですので、現時点で新たに条例を作るという考えは持ってございません」と答弁したことは、合理的根拠に欠け、区民に対する説明責任も果たさず、区民としては極めて遺憾と思わざるを得ません。
文京区においては、「文京区基本構想」や「文京区都市マスタープラン」が策定されながら、文京区としての「まちづくり」の定義は定められておらず、文京区としての「まちづくり」の基本理念も明確に定めていません。また、「まちづくり推進要綱」はあるものの、制定から約30年が経過しており、区民の自発的な意思を尊重したまちづくりを進める上で、実態にそぐわない内容となっています。
そこで、新たに「協働・協治の理念に基づく『文の京』まちづくり基本条例」といった名称の、文京区の「まちづくり」に関する総合的な条例を制定して頂きたく、下記のとおり請願致します。
請願事項
1 全国の全ての自治体の「まちづくり基本条例」並びにそれに準じた条例・要綱を調査・研究したうえで、現在の「文京区まちづくり推進要綱」等を取り込みつつ、文京区にふさわしい、「協働・協治の理念に基づく『文の京』まちづくり基本条例」といった名称の「まちづくり基本条例」を新たに制定してください。
2 上記のような名称の「まちづくり基本条例」を新たに制定するに当たっては、「文の京」自治基本条例も同時に全面的に見直し、新たに制定する「まちづくり基本条例」と整合性の取れた自治基本条例とすべく全面改正してください。
(2019年4月13日)
請願理由
文京区には、「ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例・同条例施行規則」(以下、ワンルーム条例等)といいます。)がありますが、建築主(事業者)の建築(開発)計画が同条例・同条例施行規則に基づいたものであっても、「文京区基本構想」や「文京区都市マスタープラン2011」(以下、「都市マス」といいます。)等で打ち出した、それぞれの地域のまちづくりの方向性や将来の姿と矛盾や齟齬を来すケースがあります。
例えば、小日向2丁目の横山産業による「巨大ワンルームマンション」建設計画(地上4階建て、総戸数66戸)は、「都市マス」上、低層住宅市街地に位置付けられ、「戸建住宅を中心とする閑静で良好な住宅地が形成されている地区」であるとともに、「宅地内の緑の保全と育成、オープンスペースの緑化などにより、現在の良好な住環境を保全します」と明記し、「良好な住環境の保全」を目指し、「今後もこの良好な住環境を保全することが必要」としたうえで、「閑静で良好な低層住宅市街地が広がり、教育の森公園や護国寺などまとまった緑が市街地に潤いを与えているまち」を将来の姿として描いています。
つまり、実際問題として、文京区の「ワンルーム条例等」や「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例」(以下、「中高層条例」といいます。)に則ったものであるとしても、「都市マス」で打ち出したまちづくりの方向性や将来の姿に沿うものであると必ずしもいえないと思われるケースが出てきているのです。
こうしたケースは今後も出てくるとみられ、特に計画地の近隣に幼稚園・保育園・小学校があり、狭小な通学路を使った工事車両の通行が必要になってくると、地元区民は大きな不安と負担を強いられることになります。ワンルームマンションは投資物件となる可能性が高く、違法な「民泊」運営が行われるリスクもあるほか、ワンルームマンションの増加は、自治会や町会などに入ることを通じた地域貢献を担う世帯数の減少や、文京区の由緒ある地域コミュニティの希薄化につながりかねないと憂慮します。
現在の文京区の「ワンルーム条例等」は「都市マス」と整合性が取れない面もあると言わざるを得ず、特に区内の「第一種低層住居専用地域」の住環境を守る観点からは「ワンルーム条例等」の内容が必ずしも十分であるとはいえないと思います。そこで、「ワンルーム条例等」を見直して頂くよう、下記のとおり請願いたします。
請願事項
1
「ワンルーム条例等」において、「文京区基本構想」や「都市マス」等で打ち出したまちづくりの方向性や将来の姿と合理的な矛盾を生じさせない、整合性の取れた規定になっているかどうか、条例並びに同条例施行規則の全ての内容をひとつひとつ確認・点検し、「文京区基本構想」や「都市マス」等で打ち出したまちづくりの方向性や将来の姿と矛盾や齟齬が生じかねない場合は、見直してください。
2
第一種低層住居専用地域においては、みどり豊かで閑静な住環境を守る見地から、現行の「ワンルーム条例等」における規制を強化すべく見直してください。特に第一種低層住居専用地域は、ア)階数が3をこえるワンルームマンションを建設できない、イ)ファミリー世帯層向けの戸数の比率を現状より増やす――などの見直しをしてください。
3
「ワンルーム条例等」において、建築主と隣接関係住民・周辺関係住民があらかじめ土地利用計画や開発計画、建築計画等について、事前に協議できるように仕組みを整えるようにしてください。
4
「ワンルーム条例等」において、建築主(事業主)に対して土地取得後、構想を固めた段階で説明会の開催等を義務づけるよう見直してください。
5
区と建築主(事業主)との「事前協議」あるいは「事前調整」においては、事業計画だけでなく、工事計画も含め、工事車両の通行についても緊密かつ詳細に協議するよう見直してください。
(2019年4月9日)
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